2001年ヒロイン大賞
第2位
深景 byリフレインブルー
注:結構ネタバレ
深景と書いて、「みかげ」と読みます。苗字は・・明かされていなかったような。あったかもしれないし、なかったかもしれない。ん・・・・・・・・ああ・・そうか。あったじゃないか・・・彼女にはしっかりとした名前が・・・松永・・・松永だよ。彼女の苗字は松永だ・・・・・。
よし・・・それでいい。
幻想だろうが夢だろうが、そんなんどうだっていいわ。アレこそ真実、あの生活こそが現実。彼女の名前は松永深景。それでいい。
あんな結末・・認めるもんか。
・・・・。
深景さん・・ごめんよ。せっかくあなたがあそこまでしてくれたと言うのに、俺はやっぱりあなたの事を忘れられないみたいだ・・・。
って・・・・本作プレーしていない人には何が何だか訳わからないよな・・。
ははははは・・・・・・はあ・・・ダメだ。昨年の春に体験したあの痛み・・この企画やったお陰で思いっきり思い出してしまったよ。深景さんの事を思うと、どうにも切ない気分になって来る・・はー・・
んないつまでもウジウジしててもしょうがないか・・真面目にやりましょう。それではヒロイン大賞第2位、松永深景の紹介をばして行きます。
本作には計6名のヒロインがおり、それぞれが深い悩みや悲しい過去を背負っている。深景さんはその中でも、最も大きな問題を抱えている女性なのであります。風景画を描くのが趣味で、各地を旅し、心に留まった風景を絵という形にして残していく事を生き甲斐としている。
そうして旅を続けているうちに辿り着いた蜻蛉海岸という場所で、本作の主人公と出会うことになります。
この出会いのシーンのCG・・あれは鮮烈だったなぁ・・腰を屈めて手を後ろに組み、浮かない表情で海辺に腰掛けていた主人公に「どうしたの、こんなところで」と話しかける深景さん・・。白いサマーセーター 青いスカート 腰まで伸びた黒髪 優しそうな微笑み・・本当に・・綺麗だった・・
はぁ・・(うじうじ
その微笑みに違わず、性格も優しく穏やか・・。包み込むような優しさとは正にあの事だろう・・。最高だよ・・お姉さん属性の俺にはたまらないよ・・。甘えたいよ・・深景さんにめちゃくちゃ甘えたいよ・・俺も膝枕してもらいたいよ・・膝枕しながら眠りこけてる深景さんをずっと眺めていたいよ・・眠っている事をいい事に唇奪おうとした主人公・・ぶっ殺すぞ・・そんな事して許されると思ってるのかよ・・俺と代われよ・・それとあのエプロン姿・・何なんだよ・・反則だよ・・俺は新妻属性でもあるんだよ・・新婚生活・・超幸せだったよ・・料理美味かったよ・・俺も一緒に皿洗いしたいよ・・酔っ払った深景さん可愛かったよ・・・・それに・・・・・・・。
あの手紙・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・ありがとうって・・
それ・・・・・
俺のセリフだよ・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
もうだめだあああぁぁ・・・・
深景さん・・深景さん、深景さん・・
プレー後、一週間はこんな感じでした。気に入ったキャラクターだっただけにあの結末はこたえた・・。
<決めセリフ>
「ずっと、こうしてもらいたかった・・」
俺がギャルゲーというものに出会ったのは高校3年の時だった。
きっかけは当時、同級であった友人の勧めで購入したときめきメモリアル。
その作品の藤崎詩織という強力なヒロインは、それまでギャルゲーというものを拒んでいた俺の安っぽいプライドを豪快に崩壊させた。詩織は俺にとってこの世界にのめりこませた張本人だったのである。
それ以降も俺は、様々なヒロインに萌えてきた・・
朝日奈夕子・・
虹野沙希・・
桂木綾音・・
結城瑞穂・・
三月静香・・
御堂麻弥子・・
法条まりな・・
ティーナ・・
杉本桜子・・
川名みさき・・
神岸あかり・・
沢渡真琴・・
彼女たちも確かに強かった。しかし俺にとって、ギャルゲーヒロインと言えばやはり詩織だった。藤崎詩織だったのである。それはそうだ・・
はじめてのオンナ(アホ)
これを超えるインパクトはそうそうあるものではない。
詩織最萌え伝説は不滅、そう思っていた・・
しかしその伝説は昨年の夏に破られた。歴史は変わった
それでは紹介しよう。
このキャラクターが2001年・・
そして、俺のギャルゲー歴最高のヒロインだッ!
2001年ヒロイン大賞
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速瀬水月
by君が望む永遠
あー駄目、もーダメ。水月ぃ・・そんな悲しそうな顔しないでくれぇ・・・
俺まで切なくなっちまう!
アーウー・・アレからもう半年も経つというのに・・まだ忘れられないのか・・まだふっとした時思い出してしまいますか・・そんでそのたびに切なくなってしまうのはどうしたもんかな・・
いや、昨日同僚と一緒にお昼してる時何故か水月のこと思い出してしまいましてね、何かいきなりブルーな気分になってしまったんですよ。頭の中に「6月のメモリーアレンジ」が流れたりなんかしちゃってどうにもこうにも。
で、それが顔に出たのかその同僚に心配されましてねー。「どうしたの?」って言われて水月に萌え萌ーえなんて答えられないでしょーが!あの時は誤魔化すの大変だった。本気で心配されたからなー・・・「何でも相談に乗るよ」って一般人のキミに相談できる話じゃないからよ・・
ってこんな話どーでもいいですね・・はははは・・・・
病気だな。
ココまで来たら病気だよ。萌え患らってますよ水月依存症ですよ。
水月依存症
・・こりゃ大変だ。暫くの間離れてないと治らないな・・。と言ってもTOPの水月バナーは剥がしたくないしぃ、別にこのままでもイイや。
さて、ふざけるのはこの位にしてそろそろ水月について真面目に語りましょうか。
水月は最高だ。終わり。って終っちゃったよ!だめじゃん!
本当に真面目に。んー・・本当にどうしてここまで気に入ってしまったのだろう。ここまで入れ込んだキャラクターというのはかつて無かった。その要因となるものは・・はて何だろう。一つづつ挙げていこう。
注:ネタバレあり
魅力1:ポニーテール
私の好きな髪型の一つです。元気溌剌な彼女にはピッタリな髪型ですな。でもこれは水月の意地っ張りな部分を象徴したもの。誉められても嬉しくないとの事なので早めに次へ。
魅力2:勝気でいつも自信満々
自信に満ち溢れている人というのは、見ていて非常に気持ちがいいものです。そしてそれが嫌味にならない。あくまで自然。
アレは水泳という自分にとって絶対の自信になるもの、それがある事から来るものなんだろうな。だからとっても輝いている。腰に手を当ててフフッて不敵に笑う感じがとってもよろしいです
魅力3:エリート面しない気さくな性格
普通あれだけ可愛くて、勉強も出来て、全国区のアスリートでしかも五輪選手候補とくりゃ高嶺の花ですよ。おいそれと近づけません。しかし、そういうものを感じさせない柔軟な朗らかさが彼女にはある。そんな子だから友達も多いし、近付く男も多い。モテモテです。
魅力4:友達想い
情に厚くて面倒見が良い。友人が困っているのを放って置けないタイプ。そしてこの物語は、親友である遙の恋の世話を焼いた事から始まったんですね。
魅力5:明朗活発
ぶっとばすわよ!?・・とまあ、少々乱暴な所もあるけれどそんなのは全然構わない。元気があっていいじゃないですか。私は女の子に「もーっ」みたいな感じで軽く叩かれるのが好きなのだが、水月の場合ちょっっっっっっっっっっっっっっと痛いかな?スキンシップじゃ済まないかな?でも、少しくらい痛くても我慢しますよ?いや、むしろ一度豪快にぶっとばされたいくらいです。彼女自慢の強肩を喰らうのもいいが、私はやはりあの健康的な膝の一発を喰らってみたい。考えただけで恍惚。って俺は変態か(何を今更)
魅力6:弁当箱を洗ってくれる
よし、予想通りに訳がわからなくなってきた。まあ家庭的な面もあるという事でムリヤリ。
魅力7:チョーカー
くれ。
・・まあコレも水月のトレードマークですね。
魅力8:ドネルゲバブが好き
好奇心旺盛。・・という事か?
魅力9:俺もお前と雨宿りがしたい
それは単なる俺の願望じゃないか。
魅力10:俺ならお前の気持ちに気付いてやれた
その辺にしておけ。な?
魅力11:あんなに悲しませる事はしなかった
また暴走する気か?
魅力12:レビューでも書いたが本気で愛している
実際書いてるもんな・・しかもあんな特大サイズで。だけどアレは一時の勢いという事で済ませられるから、いい加減気付けよ。水月は実在しない・・所詮は二次元キャラクターなんだ。諦めろ。
その愛は報われない。
魅力13:結婚してくれ
幸せにして下さい。
そんな魅力たっぷりな水月だが、二章ではかなり割りを食う事になる。身体で男を繋ぎ止めるヨゴレだとか引き際を知らない馬鹿女だとか各方面で散々叩かれた。なまじ遙が耐え忍ぶタイプであっただけに、水月の情欲深さが際立ってしまったんですね。
確かに水月贔屓な俺から見ても許せない行動はあった。余りに情けない言動の一つ一つが残念でならなかった。
俺にも思い出すだけで恥ずかしくなるような失敗をした事があります。その時は周りにとんでもない心配をかけてしまった。俺は水月のもがき苦しむ姿を、かつての自分の醜態と重ね合わせて見ていたのかもしれない。
だからドン底から見事這い上がった水月の姿を見た時はどうしようもなく嬉しかった。
俺も・・という気持ちになれた。
「遙の退院を病院の屋上から見届け、
親友達に別れのメッセージを残し柊町を去った水月」
俺が水月の事を思い出すときは大抵このシーンです。
あの後、いったいどんな気持ちで病院を去ったのか・・
どんな街に住んで、どんな生活をしていたのか・・
考えれば考えるほど切なくなる。
そして最後に思い浮かべるのがあのスナップ。
一回りも二回りも成長した水月の凛とした笑顔に、どれだけ勇気付けられた事か。
みつきー、ありがとなー。
本当に、ありがとよー!
□余韻大賞□
―想い出を忘れないために―
【余韻】(名)@音のあとに、のこるひびき。A詩歌・文章になどの言葉に現されないおもむき。余情。Bことが済んだ後、心に残るおもむき。余情。なごり。C鐘をついたときなどの、あとに残るひびき。
名作というのはプレーヤーの心に何かを残してくれるものだ。残してくれたものが大きければ大きいほど、作品に対する思い入れも深くなる。最終にして最大、これから紹介する作品はいずれも私の心に何かを残してくれた。
さて、長らく続いた本企画もこのカテゴリーが最後となりました。ヒロイン大賞で思わぬ時間を喰ってしまっただけに、ココはさくっと終らせましょう。作品の世界にどれだけ没入したかを示す個人的最重要項目。得点は3倍換算で行きます。
第5位 グリーングリーン
例のアレ、クリア直後。
「・・・。」
一瞬絶句したものの、大したダメージは喰らわなかった。
「へ、へへっ。ここで泣けってか。ここで泣けってかグルーバーさんよ・・?」
プレーヤーを泣かせようとする製作者側のあざとさが感じられ、かえって悪印象を抱いたほどだ。
「・・アマい。アマイな。こんなんじゃ泣けねえ。こんなんじゃ逝けねえ」
後味の悪い結末に、腹を立てながらその日は就寝についた。
しかし翌日起床時。
ソレは唐突に来た。
「なんだ・・なんだこの途方もない切なさは」
頭を振って対抗したものの、その大波の勢いは止まるところを知らない。
「ちっ・・何だよこの胸の痛みは・・息が・・詰まりそうだ・・」
起きぬけのモヤモヤした頼りない思考の中で、その原因を探る。
「ダメだ・・さっぱりわからねえ。俺はどうしてこんなに落ち込んでいるんだ。どうしてこんなに憂う・・・・・・ハッ!!!?」
瞬間、脳裏に浮んだのは例の子の例の表情だった。
「まさかッ」
PCを起動させ、Bダッシュで例のエンディング間近のデータをロードする。
「まさか・・・・・まさ・・・・・・・・・・・か。ヤラれたというのか・・?あんな安易なお涙頂戴シナリオに、ヤラれたというのか・・?この俺がっ多くの哀しみを体験してきた、泣きゲー経験豊富のこのオレが逝ったと・・逝っちまったというのかッ」
そして再度例のエンディングを見る。そして数分後・・
「さ、ささ・・ななななななな・・・うおーう・・・マジか・・こんなんアリか・・こんなんアリかよ・・」
枕に頭を擦り付けて、鬱の大波と闘っている漢がそこに居た。そう・・何だかんだ言っておいて、俺はしっかりと逝っていたのだ。
その後「彼女」の事を思い出にできるまで、実に3日間もの時間を要する事となる。卑怯にして巧妙。表現力と技術力にしてやられた。
第4位 加奈
自分は何の為に生きているのだろう。とか、何の価値も無い人間なんじゃないか。とか、誰にも必要とされていないんじゃないか・・とか。これは人間誰しも一度は疑問に思い、悩む事だそうです。
だけど加奈の頑張りを見ているとですね、そんな事で悩むのが馬鹿らしくなってきます。生まれながらにして試練を課せられた彼女にとって、日々生きて行くことは挑戦そのものだった。そしてそれは我々健常者にとっても同じ。人間は生きる事こそに意味があるという事を彼女は教えてくれた。
つい最近、東京に雪が降ったのですが・・その雪を見ながら加奈の事を思い出し、そんな事をぼんやりと考えていました。
第3位 ファントムオブインフェルノ
各サイト、至る所で絶賛されていたファントムの出来は想像を遥かに凌ぐものだった。魅力的なヒロインやサブキャラクター、そして質、量共に充実したテキスト、重厚で且つ起伏に富んだ激しいシナリオ展開。プレー中はまるでジェットコースターにでも乗っているみたいでしたね。
それだけ作品世界にのめり込んでいただけに、全てのシナリオを終えた時の寂しさったらなかった。深い余韻に酔いしれながら、その日は暫く何も手に付かなかった記憶があります。
第2位 リフレインブルー
1週間。
本作で受けた心のキズ(いや、本当に辛かったんですって)が癒されるまでにかかった時間です。この期間中はまさに、
(-_-)
(∩∩)
ミカゲサン…
こんな状態。
飯喰ってても 「ミカゲサン…」
テレビ見てても 「ミカゲサン…」
外出してても 「ミカゲサン…」
風呂入っているときも 「ミカゲサン…」
トイレで踏ん張ってる時も 「ミカゲサン…」
何をやってても憑依憑依憑依。とにかく憑依しまくった一週間だった。正にリフレインブルー。繰り返す鬱。感動しているんだけど何か納得できなくて、沸き起こる切なさを抑えきれない。とりあえず感想をアップしたものの、逆に自分の文才の無さに腹が立つ始末。
夢遊病者(笑)のごとくリフレインブルー関連のサイトをふらふらと彷徨っては同じような症状に陥っている方を見つけ、色んな自作SSを読み、CGを見、MIDIを聞いては涙ぐむ。
(T_T)
(∩∩)
ミカゲサン…ワスレラレナイヨ
そんな一週間。
エルフめ・・あんにゃろめが(笑)俺をあんな目に遭わせやがってーー!あんなキモチにさせやがって!鬱で死ぬかと思ったぞ!ちきしょうッ!なんかムカついてきた!ほんっとうに、ありがとうよー!
この情動は近年に無いものだった。去年の丁度今頃ですかね・・「2001年NO.1はリフレイン・ブルーだ」って私は確信していましたよ。
「間違いない。こんなにハマったのはDESIRE以来だ」
しかし・・そう確信するにはいささか時期尚早であったようだ。
その年の夏――それ以上の作品が俺の前に立ちはだかったのである。そう、今までのギャルゲー歴を大きく覆すほどの・・恐るべき作品が・・
「2001年余韻大賞」
君が望む永遠
「なあ、凄いんだよ。君望は本当に凄いんだって」
8月某日。水月ENDで受けた衝撃をとうとう自分一人で抱えきれなくなった男・・ともは秋葉原で仕事をしている隠居氏、鬼畜総統氏の元を訪ねていた。もちろん君望の素晴らしさをアピールするためである。
い「わかったわかった。お前がそこまで言うのなら相当凄いんだろうよ」
と「ああ、凄い。とにかく凄いよ。もうホームページで叫ぶだけじゃ物足りないぐらいだ。なんつうかな・・ああ、どう言ったら伝えられるんだ、このキモチを!激情を!」
い「まあまあ、ちょっと落ち着けって・・」
エロゲーショップが立ち並ぶ夜のアキバ・メインストリートを歩きながら、男は熱に浮かされたように本作の魅力を語る。・・・語ろうと思うのだが、マグマのように煮えたぎる熱い気持ちが空回って上手く言葉に変換する事が出来ない。
と「ダメだ・・上手く言葉に出来ねえ。今日はこの気持ちをブチまけたくて来たのに・・」
い「ま、凄いんだな。というのは何となくわかったよ。俺もいつかやるからさ」
と「ああ、是非やってくれ。俺の歴代ナンバーワン作品だ。きっとお前にも気に入ってもらえるはず・・」
い「え・・?ナンバーワンってまさか―」
と「ああ・・アレを超えるゲームが現われたよ。あれを・・『EVE』を超えるゲームが、とうとう・・」
い「なるほどなるほど・・お前がそこまで騒ぐわけだ。へえ、EVEをねえ・・」
“EVE burst error”
――それはその男にとって特別なゲームだった。ギャルゲーで初めて、思い切り泣かされた作品・・。自分を泣きゲージャンキーにさせたこの作品に対する、男の思い入れは尋常ならざるものがあったのである。それを良く知る隠居だからこそ、「EVEを超えた」という男の言葉に少なからず反応するものがあった。
と「ああ、もう自分でも信じられないくらいだよ。あれ以上のゲームなんて絶対出ないと思っていたからな。それにな、それだけじゃない。今のこの感情は『あの時』に・・似ているんだ」
い「『あの時』・・?」
と「ときめきをクリアして、初めて『二人の時』を聴いた時のあのセツナイ気持ちに――良く似ている」
い「――――――――!」
“ときめきメモリアル”
――それはその男のみならず、隠居にとっても思い出深いゲームだ。お互いアレを体験してこの世界に足を踏み入れた身。
藤崎詩織は男の。
虹野沙希は隠居の。
それぞれの『脳内恋人』として、散々心を乱してくれた。高校時代・・その「恋人」の名を叫びながらバスケをしていた淡い思い出は、今もお互いの脳裏に鮮明に焼き付いている。
い「それは凄いな!」
と「理解ってくれると思ったよ、オマエなら。俺はな、君望のエンディングを見て・・『あの唄』を聴いて何とも・・あたたかい気持ちになれたんだ。そしてどうしようもなく感動した。感動しすぎて、どうにかなっちまうかと思ったぐらいだ・・そう、俺は“感動”を・・どうしようもないくらいの、感動・・感動を・・・・・・・はるか、みつき、あかね、しんじぃ・・」
い「――理解った。オマエの気持ちは充分に伝わった」
と「ふう・・ちょっとだけ、気持ちが楽になったよ。何せあの結末は自分ひとりで消化するには辛すぎるから・・」
い「つらい内容なんだ?」
と「辛いし・・嬉しい。嬉しいけど・・辛い。複雑な心境さ・・・・って、あ!」
い「?」
男はギャルゲーショップのウィンドウに貼られていた「君が望む永遠販促ポスター」を見つけると、猛ダッシュで近付き喜色満面で二人に説明しだした。
と「これこれー!これが水月たーん!で、これが遙たーん!」
い「・・・。」
き「・・・。」←初登場
と「うわっ・・何だか切なくなってきた。っていうかイタッ!胸、イタッ!」
い「いきなりスイッチが入ったな・・」
き「なあ・・どうでもいいがあのオッサン、もう少し大人しく出来んのか?周りの目もあるっつーのに」
い「まあ、いいんじゃない?見ていて楽しいし」
き「連れだと思われると、非常に恥ずかしいモノがあるんだが・・」
と「もーっ!総統たらっ!」
き「な、なに」(ウッ・・ちょっと、怖いかも)
と「ちゃんと聞いてるのっ? もう一回ね!この髪の青いのがみつきで、こっちのピンクの髪がはるか―
き「わ、わかったわかった。へ・へえ・・彼女たちが、ともサンの新しい・・の、の、脳内恋人・・ですかい。な、なるほど・・なるほどねェ・・」(ちィ・・・どうしてこの俺様がアンタの作った恥ずかしい言葉を口にしなければならんのだ!)
時は流れて10月。
男の君望ショックが幾ばくか醒めかけた頃、隠居から携帯が入った。
い「よーう、君望サントラ欲しいか?」
と「は?いきなり何?」
い「いや〜今目の前にあるんだよねぇ、キミが騒いでいた『君望』のサントラ」
と「なにっ?!とうとう再入荷したのか?」
い「うんうん、俺もビックリしちゃってさ。で、どう?欲しい?」
と「そりゃ欲しいが・・いかんせん、今の俺には先立つモノが無い」
い「そこで、だ。俺が金出してあげるつったらどうする?」
と「なぬ?」
い「いやーほら、キミにはずっと借金してるからさ、その利息分って訳でもないけど」
と「オマエ・・」
い「ともが多分欲しがるだろうと思ってさ〜欲しいでしょ?欲しいでしょ?」
と「オマエって・・ヤツは」
い「欲しいの?欲しくないの?」
と「欲しいです!超欲しいです!買っといて!っていうか買っとけ!今から速攻でそっち行くから!」
い「ははは。それでこそともよ。じゃあ待ってるよー」
と「ああ。じゃあ、俺は君望を持っていってやろうかね・・」
い「い?マジ!?あれほど貸し渋っていたのに・・」
と「バカヤロウ・・お前だって生活楽じゃないだろうに、そんなムリしやがって・・その友情に俺も答えてやろうと思ってな」
い「さんきゅー!すげー楽しみだ!よし!抽選のテレカも絶対当ててやるからな!」
と「へっ ボケが!そんな上手く行くわけ無いだろうが!んじゃあハンカチ用意して待ってな!どんだけ泣いてもいいようにな!」
い「俺は泣かないって」
と「ふふ・・ナめてるな?まだナめてやがるな、君望を。・・よし。理解らせてやる・・骨の髄まで味あわせてやるよ、「永遠」の恐ろしさを・・トリプルSは伊達じゃねえぜ・・」
という訳で秋葉原で待ち合わせ、隠居が鬼畜総統氏、子分氏と男三人同居生活を営む伏魔殿(O市)へ車を走らせる事となった。第二次君望フィーバーの幕開けである。
その数日後。
男はまたO市へと向っていた。当初の目的はグリグリの購入に充てる資金の無心をしに行く事であった。しかし別の目的があったのも事実である。
そう・・
永遠シンドローマーの3人が対峙すればどのような状況になるか・・その光景の予想は容易についていたのだから・・。
そして伏魔殿。
とも、隠居、鬼畜総統がその雁首を揃えた時・・悪魔の宴は始まった。しかし、残念ながらその宴の内容はほとんど覚えていない。“白熱した議論”というよりどっちかというと“傷の舐めあい”といった様相を呈していたが、それでも異様に盛り上がった事だけは確かである。
あと一つ。
「水月シナリオはクリアしたがもうこれ以上プレーする事は出来ない」
とか、しまいには
「俺は水月を選んだんだ。だから彼女を裏切る事は出来ない」
とか言い出した鬼畜総統に対し隠居が激昂。
隠居「鬼畜総統ともあろう者が不甲斐ない。これからは“ひよこ”総統と名を改め、一から出直して来い」
との言葉を真に受けた総統が本当にHNを、そしてホームページのタイトルまでをも変えてしまった事件があったという事も付け加えておく。
〜独り言〜
総統殿は当時の事をHPの日記内でこう触れているが、貴方をひよこと名付けたのは私ではなくご隠居さんです。人畜無害な私がそんな酷い仕打ちをするわけが無いじゃないですか。また突発的連載超短編妄想青春爆裂実録小説風日記「俺が望む永遠」がここ最近全くご無沙汰なトコロを見るに、君望熱は完全に冷めてしまった御様子。続きを待ち続けた身としては残念でならない。彼は現在隠居氏共々、「駅前留学」なるものに多忙との事なので、こうなったら御自身でリアル君が望む永遠を体現してくれる事を切に祈るばかりである(ちょっと腹いせ)。
そんなこんなで君望への愛が再び盛り上がった私。そして今に至るまで、こんな長期間に渡って心を支配される事になってしまったのである。
2001年ギャルゲー大賞
や、やっと全てが終った。さてこれからポイントの集計に入りますが、これがまたメンド臭いんだよな・・。
えーと
ここはこうなって
こうだから・・
こうなる、と
よし・・
多分これで間違いは無いはず。
発表します。
2001年、ギャルゲー大賞の発表です。
あ、やばい!ドキドキしてきた!
落ち着いて、落ち着いて。。すぅ〜・・はあぁ〜・・すうぅ〜〜・・よし
行きます!
2001年ギャルゲー大賞は!!
君が望む永遠!!56.5pt獲得!イエーイ!全く予想通りー!
以下はこの通り。
第2位:ファントム(40pt)
第3位:リフレインブルー(29pt)
第4位:月姫(19pt)
第5位:とらいあんぐるハート2、GREEN(15pt)
第7位:ヴェドゴニア、加奈(14pt)
第9位:グリーングリーン(13pt)
第10位:ポートレイト(7.5pt)
大体ランク通りの結果になりましたね。あんまどんでん返しが無くてツマラナカッタカモ^^;申し訳ないです。それにしてもここに出揃った10作品、全て自信を持って薦められる作品だらけですよ。いやあ去年は大変(ギャルゲー的に)恵まれた年だったなぁ。
特に大賞受賞の君が望む永遠。これはゲームの範疇を超えて、個人的に貴重な人生経験の一つとしていつまでも忘れられないものになりそうです。このサイトの更新内容も8月中はほぼ君望一色。一つの作品であんなに長期間盛り上がる事なんて、今後そうは無いのではないでしょうか。
レビューを書くときも、どうすればその時の感動と興奮を読者の方に伝えられるかで相当苦労した。書いては直し、書いては直し・・あんなに真剣に文章書いたのはサイト設立以来無かったくらいです。ええ、アレでも真剣だったんですよ(笑)
当時はこれで完璧!やるだけの事はやったと満を持しての公開だったのですが、今読み直してみると粗だらけですね。だけど文面から当時の苦悩、混乱振りが思い起されて何だか懐かしい気持ちになりました。プレー共々、良い思い出となりそうです。
さてさて、最後に今年の展望などを。もう3月だけど。正直、最近あんまり新作の情報集めてないので全然予想も付きません!ギャルゲーサイト管理者としては非常に情けない。スマン!まあ無難にマブラヴ、鬼哭街、クラナド辺りが期待ですかね。お客サンの中で「これモンノスゲーよ!」ってのあったら是非ご一報下さい。検討次第で秋葉原にカッ飛びますので。
それでは今年も素晴らしいギャルゲーをプレーできますように。出来れば君望を超える作品が現われる事を願いながら、特別企画「2001年ギャルゲー大賞」を終了します。
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