ドラゴンクエスト3 (ファミコン) エニックス    勿論ネタバレ。




さてドラゴンクエスト3と言えば発売当時の混乱が思い出されますね。
発売日の何日も前から店先にテントはって行列する人々・・・
小学生から買ったばかりの本作を強奪するアホな高校生・・・
ゲームがあれほど新聞やテレビなどで大々的に取り上げられたのも本作が初めてではなかったでしょうか。
正に社会現象でしたね。

勿論当時の我がクラス(6年3組)でもドラクエ3は毎日、話題の中心でした。
2の時はクラスの半分くらいだったプレイ人口も3の時は3分の2くらいに増加。
あんまりゲームをやらない女の子ですら興味を持ってました。
先生の中でもはまってた人多かったな・・・私は職員室に行くたびに質問攻めでしたよ。
なんせ当時の私はクラスどころか恐らく学内TOPのドラクエプレイヤー、「ドラクエ委員長」でしたからね!!(同コーナー、「ドラクエ2」参照)

でもね、私は3の時は1、2の時ほど早解きに執着していなかったんですよ。

1は確か4日くらいでクリア。2に至っては2日でクリアして流石にこの時はクラス全員を唖然とさせました。
正にヒーローだった・・・・いや、もちろん男子の中だけでだが・・・・
私に歯向かった級友達も頑張るには頑張ったようだがね、其の頃の少年ともは早解きにをかけてましたから。
小学生の時分でそおんな気合の入ったゲーマーなんて中々いないですからね、勝てる訳が無かったんですよ。

でも3の時は「早解きよりもゲーム内容をじっくり楽しもう」と考えるようになってたんですね。ゲームの世界をもっとゆったりと。
「別に一番早くなくたっていいや。テレビゲームって本来競い合うより楽しむものだし。楽しんだ者勝ちだよ。」
とまあこう考えるようになってたんですね。
ん〜、大人になったもんです。
「パーティー編成だって普通では考えられないので行こう。今度は色んな職業で色んな発見をして皆をアッと言わせよう。」
そこで少年ともが選んだパーティーは勇者、商人、僧侶、遊び人でした。

遊び人と商人。

コレ、初回プレイの時に選んだ人ってあんまりいないんじゃないですかね?しかも小学生が。
恐らく初めてのときは勇者戦士(武道家)僧侶魔法使いで行った方々が大半であったはず。
クラスでもそんな危険を冒す奴なんて一人もいませんでしたね。
いや、別にこんな事自慢するほどの事でもないんですが^^;
まあとにかく初代パーティーは遊び心満載のこの4人でした。
このセレクトは級友をかなり驚かせましたよ〜。

「今度こそはともに勝てる!!」と意気込んだ奴や
「へ、へー。商人と遊び人選んだんだ・・おもしろそうじゃん・・ふふふ・・」と内心の笑みを隠せない奴や
「な!?なんで!?くそーう、逃げたな!!真剣勝負からにげた、ともはっ!」と悔しがる奴。

まあ様々な反応でした。

結局、結果は11日クリアーで圧勝でした。
其の時はまたクラスをアゼンとさせたもんです。
彼等もまさかあのパーティーで負けるとは微塵にも思ってなかったのでしょう、
悔しがる級友を目の前にして「遊び人はさぁ、こんなことしたりこぉんなこともするんだぜ・・・」
と自慢した日々は少年時代のいい思い出の一つとなっております。





前置きが長くなりました。
それではこの大作RPG、ドラクエ3のクリアーまでの軌跡を一緒に思い出しながら辿っていきましょう。
私が初めて遭遇した敵はおおガラスとスライム。何でだか覚えている。
まずは盗賊の鍵を手に入れるためになじみの塔へ。
難無く手に入れるとアリアハンから北上、カザーブ(ウソかも)の町を目指す。
それでたしか・・その鍵を使って入った家の住人に
爆弾みたいなの作ってもらってそれで旅の扉を使えるようになった記憶がある。
・・・・・なんか抜けてるような気がしますね。
もう一つ洞窟があったような気がするんだけど・・・・・そしてそこにカエルの怪物が出たような気が・・

まあ忘れたものは放っておきましょう。
たびの扉がある洞窟。ここは敵が強くて苦労した。
一角ウサギ。キャタピラー。マヒ攻撃してくる蜂等。(キラービー・・・か?)

そんな強敵を蹴散らし、辿り着いた旅の扉に飛び込むとロマリアの城がある。
そこの王様に金の冠取られたから取り返してくれと依頼され
シャンパーニの塔へ。何とか最上階に辿り着くと犯人が。さあ誰だか覚えていますか?




カンダタですね。私はカンダタよりもむしろカンダタ子分の方が強かったような記憶があります。
さて金の冠をカンダタから取り返してロマリアに戻ると何とお礼に
1日王様を体験させてくれると言う。これは面白かったですね。


さあお次は・・・・・・・うーん・・・・・・・・・・・き、記憶が曖昧になってる(泣)
ロアニールの街に行って・・・・毒針とって・・・・・もう少し北にいくと村民全員が眠ってる村があって・・・
眠りの粉?が原因だったか。村から西に行くと洞窟があって・・・・・
その洞窟に出てくる吸血鬼のもんすたーが強かった気がするな。ヒャド使えたような。
そして最深部に行くとううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅうlんんんんんん・・・・忘れちゃった!!(アハッ☆)
まあとにかくその村の呪いを解いたんですよね。めでたしめでたし

そこから先は良く覚えています。ロマリアから東に出てイシスを目指すんだ。
その途中の街で(確かアッサラーム)でぱふぱふしてもらうんですよね。
後これはうろ覚えなんだけど防具屋が二つあってあぶない水着が売ってたような気がする。78000Gくらいで。

でイシスに向かうのはいいんだけどここら辺はまた敵がめっさ強いんだ。
じごくのはさみ スクルトうざ。
キャットフライ やたら堅かったような気がする
火を吐く芋虫 キャタピラーの赤いヤツ
さまようよろい これは違ったかも

さあもう一匹います。覚えていますか?思い出しましょう。
ヒント1:でかい


ヒント2:獰猛


ヒント3:モンキー

はい、解りましたよね。あばれざるです。暴れ猿ですよ?
最初見たときは爆笑しましたよ何て安易なネーミングなんだと。
でもこいつやたら強いんです。3回はブチ殺されましたね。

さあサルどもを蹴散らしていくとやがてイシスに辿り着きます。
ここは女のみの国で
主人公達が入っていくと「きゃ!オトコよ!!」て拒絶されるんですよね。
少年心にかなり興奮した覚えがあります。
イシス城から北上するとピラミッドに突入。ここで魔法の鍵が手に入る訳です。
ここで詰まったプレイヤーはかなり多かったみたいですな。私も詰まりました。
あと黄金の爪が手に入る事でも有名。敵も強い。ミイラ男、マミー、だいおうガマ、等々。

で、この後の展開はすっかり失念してしまいました!!すいません!

いや・・・・・あ、そうか、魔法の鍵使ってロマリアの西に進む事が出来るようになるんだ。
でそこの王様がくろこしょうを欲しがって主人公に依頼する。王は
アッサラームの東の洞窟に住むドワーフと知り合いでそこから先に勧めるよう便宜を図ってくれるんだ。
間違ってたらごめんなさい。
洞窟を抜けるとバハラタの街に出て
こしょう屋の息子が彼女がさらわれたと主人公になきつく。
で助けに行くと彼女を拉致ってるカンダタと再開、ぶっ殺してやるとその息子からこしょうを貰える。
で王様に持ってってやると褒美に船を貰うんだ。よーし、調子いいぞ。

でそこの先は完全に忘れました。だから話はダーマ神殿に着いたところに飛びます。
ダーマ神殿の北には塔がある。そこの塔には悟りの書がありましたね。
そこで遊び人が賢者にいきなり転職できる事を知って驚いた覚えがあります。
何て自分には先見の明があるんだと。そしてドラクエ3最大萌えキャラ、女賢者の誕生。(私だけ!?)
賢者はレベルがあがりづらくて死んだ覚えがあります。
そして次にジパングに行きます。
はい、有名なヤマタノオロチですね。こいつには3回くらいやられました。かなり苦戦した記憶があります。

でもそれ以上に印象に残ってる出来事があります。そこの洞窟に出てくる鬼面導師。

こいつに見事惨殺された記憶があります。・・・・・・・・こんな風に。








「そして伝説が・・」



<登場人物紹介>
くえすと:勇者。自信家で性格悪し。でもいい所もある。かも。
ロイ:男商人。気が弱い。
ララ:女僧侶。正義感溢れる聖職者
レミ:女賢者。派手で快活な性格だったが転職して貞淑な女に変貌


「ふう、何て熱さだここは・・・・やってられねえな・・・・」

そう愚痴りながら先頭を歩くのは勇者くえすと。
新調したばかりの鋼の鎧も、火の粉が吹き荒れる洞窟では嫌味以外の何者でもなかった。

「そうですよね・・・ふぅふぅ・・私なんて、この鉄の前掛けが鬱陶しくてたまりませんよ・・ふぅふぅ」

巨体を揺らしながら言うのは商人のロイだ。

「はっはっは!!お前は太りすぎなんだよ!!・・・テメーは見ているだけで暑苦しくなる。離れろよ、この・・豚がっ」

そう言ってロイを突き飛ばすくえすと。

「あっ!な・何をするんですか!もうちょっとで下に落ち・・・・」

「うるせえっ!!お前ちょっと黙ってろ!!余計イライラするだろうがっ」

「ひっ・・・・わ、わかりましたよ・・・」

熱さに気が立っているくえすとに必死になって頭を下げるロイ。
そんな卑屈な態度を鼻で笑いながら先へ進む勇者。・・その後姿を見据えるロイの目は、どこか暗いものがあった。


「ちょ、ちょっと言い過ぎなんじゃない、くえすと・・・?ロイに・・謝りなよ・・」

そう言ってくえすとの前に立ち塞がったのは女僧侶ララ。
この男に抗ってもなんら良いことは無い・・と心の中では理解してはいるものの、彼女の正義心がそれを許さない。

「・・・・あ?」

「ロイに謝れって・・言ってるのよ」

「誰が、誰にだ?」

「あ・アンタが、ロイによ!いくら何でも仲間に向っ・・・・!

全てを言わせず、いきなりララの胸倉を掴むくえすと。何があったか知らないが、
彼のイライラは頂点に達していたようである。

「イチイチうるせえよ、臭えメス。誰にモノを言ってやがる」

「く・・くるし・・っ・・・ちょっと離し・・・く、くるしいって・・!」

「く、くえすと様!!ここで争いをしても・・・・ここは早く大蛇を退治して脱出した方が・・・・」

慌てて仲裁に入ったのは賢者のレミ。どの仲間よりもくえすとの恐ろしさを分かっている彼女でも、
仲間の首を締める蛮行にはさすがに黙っていられない。

「レミ・・・・」

「ぐぅっう!!!ごほっ!!!ごほっはっああああ!!はなし・・・・てっ!!」

「くえすと様・・!お願いですお願いします、くえすと様・・このままではララが死んでしまいます・・」

「ち、わかったわかった。レミも随分ツマラねえ女になったもんだ。転職する前はあんなに気があってたのにな・・なあ?」

「・・・・。」

くえすとはララを乱暴に離すと、ふてぶてしく先頭を歩き出した。

「ララ!だ・・大丈夫?」

「ごほごほごほ!!くぅはー・・・・」

「ねえ、ララぁ・・」

「う、うん・・だいじょぶ・・助けてくれてありがと・・殺されるかと思った・・」

「そんな。いくら何でも、仲間を殺すなんて」

「・・ううん。あいつならやりかねないよ。さっきだって、案外本気でロイを突き落とそうとしたんじゃない?もう、気が狂っているとしか・・」

「・・・・・・ララ・・・あの人の前でそんな事言ったらダメよ・・・また酷い目に・・・」

「オーイ!お前等、何モタモタやってんだ?早くついて来いよオラッ」

「は・・はい!!ほら、行こ、ララ・・・・」

「・・あんなヤツ・・大嫌い・・死んじまえばいいのに・・」

「え?ララ、今何て?」

「何でも・・さ、行こうレミ・・」

「・・・・・・・・うん」




リーダーであるくえすとの独裁振りが目立つようになったのは最近になってからである。
伝説の勇者オルテガを父に持ち、世界一の剣士と言う評判で持てはやされてきたのが
彼を増長させている要因の一つのようだ。
まあ・・その剣技によって、数々の危機を脱してきたのは厳然たる事実。
くえすとが葬った怪物たちの死体の山を眺めるたび、3人の彼に対する発言力が徐々に失われていったのだ。


「へっ、ご大層な門構えなこった」

洞窟の最深部には大蛇を奉る神殿のような建物が4人の前にそびえていた。
その入り口に立ち、余裕の笑みを湛えながらくえすとが呟く。

「噂に聞く大蛇様は、この中にいらっしゃるって訳だな」

「・・そうね。皆、用心して・・」

「フ・・お前等は見てるだけで構わねえんだぜ?むしろその方が邪魔にならなくていいかもな?ハッハッハ!!!」

「・・・・・・・・・」

「くっくっく・・・じゃあお前等は俺様の勇姿を指を咥えて眺めてな・・・・・・・・・・・・・ん?」

神殿の中に入ろうとしたくえすとの目の前に、背丈が40センチ程の赤い魔道士が立ち塞がる。

「何だお前?」

「オマエラヲ ココカラ トオスワケニハ イカナイ」

「は?見るからに弱そーなヤツが吼えてんじゃねーよ」

「フフフ」

「ちょ・・・ちょっと!離れて様子を見たほうが・・・・!!」

「お前ちょっと黙ってろ。おい、お前・・見てくれのワリに、余裕の表情浮かべてくれちゃってるじゃない」

「ハハハ」

「・・俺様が誰だかわかってんのか?」

「ムボウニモ バラモスサマニ ハムカウ オロカモノ」

「ははは、そう。貴様等魔族の野望を打ち砕く・・勇者サマよ!」

はき捨てながら敵に突進する!

眩く光る剣の切っ先が敵を捉える・・・その瞬間!!

「!」

赤い魔導士は一瞬の内にくえすとの視界から姿を消した。

「な・・どこに行きやがった?おい、お前等!ぼっとしてねえで探せ・・・・グ!!!???」

仲間に振り向いたくえすとの脇腹が衝撃に赤く焼ける。

「コ・・フ」

思いも寄らぬ敵の奇襲に顔を歪めながら、腹に突き刺さった得物を掴む。
しかしそれは例の魔道士のモノではなく・・

「キャハハハ!!くえすと!アンタみたいな独裁者には<勇者>なんて偉そうな称号は全っ然、似合わないのよ!!」

仲間であった筈のララのものだった。

「・・・・な」

理解し得ない状況に一瞬の空白。ララはその隙を見逃さず、矢継ぎ早に魔法を詠唱する。
彼女の指先から生まれる真空の渦が、次々とくえすとに襲いかかる!

「ララ・・てめえ・・・一体どういうつもりで・・・・グゥウ・・っ」

「ギャハハハハ!もしかして痛かった?ねえ痛いの??じゃあ・・アハハ!
取って置きの魔法を食らわせてやる・・・よ!そおレェッ!」

笑顔満面のララの体中から、今までの何倍もの質量の真空刃が生み出されようとしている。

「ククク!!あんたはねえ、ずっと気に喰わなかったのよ!!いつもいつも私に指図ばっかりしやがって!!
むかつくのよ、殺してやる!!」

「ち!!」

一体ララの身に何が起こっているのか判然としないくえすと。
しかしこのままでは間違いなくララに殺されると判断した彼は
真空をかわしながら圧倒的なスピードでララの背後に廻り込み・・

そして彼女の首を容赦なく切り飛ばした。

「・・・・・・・・・」

ララは一瞬の内に絶命した。

「ララ・・一体何が・・」

その亡骸を呆然と見下ろすくえすとの耳に、つんざくような悲鳴が響く。
振り向くと・・そこにはまた思いも寄らない光景が展開されていた。

「いやああ!ちょっとやめて、ロイ!ねえどうしたのっ」

「な!?」

悲鳴の主は・・完全にロイによって組み敷かれていたレミのものだった。
喜色満面、唾液をたらしながらレミの装束を切り裂いてくロイの表情は醜悪そのもの。

がんがんがん!!!
必死になって抵抗するレミ。しかし、いくらロイの顔面を叩きつけようともその勢いは止まらない。

「ナンでそんなにいやがるんですぅ?ホラ!!わはははは!!」

「いや・・・ろい・・なんで?・・なん・・・でこんな・・・こと」

「なンデって・・・?きづイて・・・いたデしょ?わタシガあなタにズっとあこガレていたッテ・・はっフッ・・・だからでスよーう」

「やめ・・おねが・・・・やめ・・・」

「ハアハアハア。だッテ、あなたはズっとヤツのなぐさミもノに・・ナッテいたノでしょう?」

「!?どうしてそんな事・・・・で・・でも・・あれは・・転職する前だったから・・それに・・決して慰み者なんかじゃ・・・・」

「ズルいじゃないですカー。やツにだけー。わたしにモくださいヨー」

「い、いや」

「ドうして」

「・・・・・・・。」

「アイツにはゆるシておいて、なゼわたしは・・・・ワたしのこときらイですか?」

「いたっ・・ちょ・・やめ・・」

「アんなおとこより、わたしノほうがスーばいあなたのこと、あいしている・・・だいじにしてあげられる・・」

「はーはー・・・も、やだ・・やだよぉ」

「ハハハ!・・わかってくれたようですネ!・・・・じャあ・・・・」

「や・・やめてよ!!」

「・・・どうして」

「ふ・・ふざけないで」

「ほンきです・・・ほんきでワタしは・・」

「・・・・・・・いい加減にして・・・・・・・・お願い」

「だってわたしのこトすきだっていっタじゃありませんかあ〜〜〜〜」

「・・・・・・・・・・な」 (狂ってる・・・)

「わかった・・・ハずかしいんでしょ・・ウフフ・・・だいジョぶ、ぜんぶわたしにまかセて・・・・」

「・・・・いいかげんにしてよ・・・」

「・・・・・・・・・・・どうしてそんなにこバむの?」

「・・・・・・・・・・・。」

「ワタシのこトがスきなんだろう?」

「・・・・・・きらいよ・・・・」

「なんだとおイ」

「ひッ・・・・・・」

「いまなんてイった」

「あ・あなたなんて・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・大嫌い・・・・・・」
「キこえませんなあ」

「あなたなんて大嫌いと言ったのよッ」

「キこえねえよ!」

「・・・・・!!!」

「もういっぺ、いってミろ!」

「大嫌いと言ったの!このバカ!」

「キこえねえ〜〜〜〜な〜〜〜〜!!!」

「アンタみたいな奴は大嫌いって言ったのよ!ブタ野郎っ」

「んだとコラーーーーー!!!!???」

「いヤ――――――――――――――!!」

ぶしゃー!!!

「あろツぱ!?」


「あ・・・・あ・・・・あ・・・・・・」

「レミ・・・大丈夫か・・・・・」

「あ・ああ・ああ・あ・・くえすと様・・・・・・」

・・・ロイの体はくえすとの一閃で真っ二つに引き裂かれていた。

「これは一体・・」

「わ・わからないです・・・ロイがいきなり私に・・・・」

「・・ララも俺が殺した」

「な・・・」

「あいつもいきなり俺に切りつけてきたんだ」

「どうして・・・・・」

「ナカナカ タノシイ ミセモノ ダッタ・・・ケケ・・」

「!?てめえは・・・」

ふたりの遥か後方、先程の赤い魔道士が二人を見下ろしてせせら笑う。

「お前・・・一体あの二人に何をした!?」

叫びながら、魔道士に向かって閃光の如く駆ける!

「フフフ!!コレダ!」

赤い魔道士の眼から発した妖しい光が――今にも斬り付けようとしたくえすとの全身をあっという間に包み込む。

「これは・・幻惑の!?くっ・・そうか・・」

気が付いた時は既に遅く・・。
くえすとは、全身を包み込む昂揚感に身をくねらせた。

気が付いたときには・・











「―――――」

レミは・・余りの出来事に声をあげることすら出来なかった。

「・・・・・・」

すっかり腰が抜けて、身動きが取れない。この場から逃げようにも・・逃げられない。

前方には・・敬愛して止まない戦友が出鱈目な態勢で横たわっている。
あるべき場所から切り離され、虚ろな視線でレミを見詰めているようで・・思わずレミは視線を逸らした。
逸らした先には、大きな肉の塊が血を吹きながら小刻みに蠢いていて。
そして前方には・・魔道士の術に惑わされ、完全に表情が緩みきった男が舌を突き出しながら近付いてくる。
それは凄惨な笑顔。
レミをすくみ上らせるには充分に残酷な笑顔だった

(来ないで・・来ないで・・)

後ずさるレミの心は混乱で張り裂けそうだった。いっそ、自分も狂ってしまえれば・・どれだけ楽だろう?
見れば近づいてくる彼の表情は笑顔を通り越し、ちょっと表現しがたいものになっている。
かなり怖かった。

「ヒャヒャ・・・アヒャヒャ」
くえすとが
「れみ・・・・・・」

憧れの勇者が

「は・は・は。ワリィ。がまん・・・・・できね。」

とうとう
「ぎゃはははははははは!!!」

狂ってしまった
「た・たの!たのし!たのしい!ぎゃは!!ぎゃはは!!」

その事実に
「おい!!れみ。この・・腐れ!!ぎゃぎゃぎゃ!!!!
腐れ女!!!はっはあはくぁあ!!!」


彼女は心の底から
「ひゃひゃひゃ!!!ヌゲ!!!オイ!!ぎゃはぎゃは!!!
たの!!やべえ!!たのし!!わは!!」

恐怖した
「まず・・・・・わ!!!ころし・!!!!!てやる!!!
やべえよ!!!!なんでこんな・・・たのし!!!!」



そして
「ぶべぶえべべべべ・・・・・・・くる・・・・・・シ!!!!!
ヤベ!!!やばび!!!!!やっべえーーーーー!!!!マジ!!」

皮肉にもその恐怖の反動が
「あおーう!!!あ・お・う・う・・?

彼女のマジシャンとしての資質を
「・・・・・・・・・・・・ぶ・・・・・・・・かゆ・・・・・・・・・かゆい・・・・・・」


開花させた。
「ばーーーーばばあ!!!!!!!」

一瞬。
一瞬で
くえすとは


絶命した。


ゆ・・っくりと倒れてくるその亡骸を受け止める。

「どうしよう・・どうし・・」

世界を救う事の出来る、唯一の戦士を・・いやそれよりも、彼女が本当に愛した男を自らの手で殺害してしまった。
その事実は彼女の心をどれだけ凍らせたか。

「こ・・ころしちゃったよぉ・・どうしよう・・」

意味も無く視線を彷徨わせる。気付けば・・あの赤い魔道士は姿を消していた。

勇者を仕留めて、それで充分と・・そういう事だろうか?

「どうでもいいや・・・・・・・・・・・かえろ」

レミはとぼとぼと、出口へ向かう。
放心しようと努めた。思い出すと・・・・・・死にたくなる。

「いいえ」

洞窟を抜けると彼女は呟いた。

「認めよう?認めようよ・・・・・殺したの。私は・・・・」

彼女は地に跪き、天を仰ぐ姿勢をとる。

「ああ・・・・」

そして自分の体を精一杯の力を込めて抱きしめる。

「たすけてよう・・・・・苦しい・・・・・か・・・・・かみさま・・・・・」

何度も地に頭を擦り付けて神に許しを請う。

「苦しいです・・・・・・・私は大変な事をしてしまった・・・この世を救う最後の可能性を・・・・
希望の光を・・・・この手で・・この手で摘んでしまった・・!」

「苦しい・・息をするのも苦しい・・こんな悲しい事なんて・・・今まで無かった!」

「・・うっ・・・うっ・・・うっ・・・・・・・・・・・・・・」

「あ・・あ・・・あう・・・」

「あっあっあっあっあっっっっ」

「ん・・・ぐぁはぁぁぁ・・・・・くるしいよう・・・」

「ううぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ・・・・・ふふ・・」

「・・・・・・・・・ウフフフフ・・・・・・」

「そうだ。・・・・・フフ・・・・そうか・・・・」

「頼めばいいんだ・・・・そうか・・・・・簡単じゃない・・・・」

何を思ったか・・彼女は再び洞窟内に入っていった。やがて最深部に至り、再び神殿前。

「ねえ・・・・・・いるんでしょ・・・」

彼女は一体誰に呼びかけているのか。

「ここにいるのはわかっているのよ・・・ねえ出てきてよ」

すると・・例の赤い魔道士が何処からとも無く姿を現した。

「イマサラ ナンノヨウダ?オマエラハ モウ オワリノハズ」

「フフフ・・・そうね。完敗、それは認めるわ。私は・・私は、何も貴方に仕返しをしに戻って来た訳ではないの」

「・・・・・・・・・?」

「わからない・・・?責任をとってもらいたいの」

「セキニン?」

「ふふ・・そう、責任」

「ナニヲ イイタイ?」

「ここまで言ってもわからない?じゃあはっきり言うわね」

「狂いたいの。私にさっきの魔術をかけて」




伝説は生まれなかった。
勇者敗北の知らせを受け・・魔王軍の本格的な侵攻が始まった。
言うまでもなく人類は圧倒的な敗北を喫し、全滅した。






いや・・・全滅はしなかったか。




なぜなら・・










「あははは」







彼女は人類が滅んでしまった今も尚・・・






「あはははははははははははははははははははは」





狂いつづけているのだから。

















はい。一言で言ってしまえば、鬼面導師のメダパニで全員狂って味方同士楽しくパーティーアタック。結果全滅したと言う事ですね。
これは少年心にかなりショックでした。


あと・・これ以降のシナリオ展開をすっかり忘れております、私^^;
んー。おかしいな・・2は結構いいとこまで覚えてたのにな・・

・・つう事で、本作をやり直す事にしました。やる気があれば実況中継なる形で以降、更新しようかと思っておりまする。
さあFC本体と3を探さないと・・・あるかな?出来ればFC版1,2,4も欲しいのですけれど。



ドラクエ1,2,3,4、いずれかの実況中継へ続く。



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