ドラクエ4冒険日記Vol.3

 第四章〜モンバーバラの姉妹〜

これから はじまる ものがたりは ちちおやのかたきを さがし たびをする うつくしいしまいの ものがたり。
あねマーニャは おどりこ。いもうとミネアはうらないし。
ものがたりは うたとおどりのまち モンバーバラからはじまります。






くぅっ




やっと会えたわ・・












踊り子マーニャ。




かつて、私が中学の頃に本気で恋していたキャラクター。うん、アレはマジ惚れだった。
週刊少年ジャンプでマーニャのイラストを始めて見た時のあの衝撃・・・・あれは忘れられないなぁ・・・

ここで話はいきなり11年前に飛びます。








―――――土曜日の朝、中坊ともの学級内。中坊ともは3,4人の友達と机を囲み談笑していた。
談笑といっても他愛も無い内容だ。最近クラスのJ子が大人っぽくなった、アレはセック○をしたに違いない・・・だの、
ドラゴンボールの最新刊がなかなか出ない、コレは多分鳥○明が過労で倒れたんだろう・・・だの、
三年のS先輩がE中に殴りこみに行ったらしい、俺も行きたかった・・・だの、
この前の1★PM観ながらオ★ってたら現場を妹に見られて訳も無く妹を引っ叩いてしまった・・・だの、
本当に涙が出るくらいに下らない内容の話をしていた。

そこへ、これも同級のYが血相を変えてクラスに飛び込んできた。腋には週刊ジャンプの最新号が抱えられている。
そう、当時クラスに一人はいた、ジャンプをフライング購入して土曜の学校に持ってくる奴、それがYだ。

「とも!!!と、トモッ!!!!」
「うるせーな・・・Y、どうした?」
「ドラクエが・・・・ド・・ドラ・・・ゴホッゴホッ!!!・・・・ドラクエ4が・・・・出るッ・・・・・!!!!!

「!!!!!!」 ガタン!!ガタガタガタン!


クラスの男子、ほぼ全員が立ち上がる。

「な・・・・・・なななななななな!!なにぃ!!!」 バタバタバタバタバタ!!!

立ち上がった者全員がYに群がる。

「ほら、見ろっ!これがドラクエ4の・・パッケージイラスト!だ!!」

どーん。

「おおおおおおおお!!カッコいい!すげえ!すげえカッコいいじゃないか!」

・・そのパッケージイラストは、不適に笑う男をバックにドラゴンに斬りつけようとしている女が描かれていた。
そして上部にはドラゴンクエストW〜導かれし者たち〜なるタイトルが。
断言しよう、このWのパッケージイラストこそ、ドラクエ史上最高の出来であると。
男子達は飽きも無くこのイラストを眺めつづけた。その胸中は様々であっただろう。

(この後ろで不適に笑ってる奴・・・コイツが4のラスボスに違いない)
(この女戦士のカッコ・・きわどいな・・)
(導かれし者たちか・・・このサブタイトルには何の意味があるんだろう・・・)
(この男戦士…超カッコいい…超カッコいい…超カッコいい…超カッコいい…超カッコいい…)

そして・・・・誰もがこう思っただろう・・・・・・


みんなが待っていたドラゴンクエストの新作がやっと・・・二年の月日を経て・・・・・・出るのだと!!



「驚くのは早い・・・・これを見ろ!!そして・・・驚け!!!」 Yがページをめくる。そしてそのページで目に飛び込んできたこの文字!



Wの冒険の仲間はなんと8人!新しく登場の「馬車システム」で仲間を集めろ!!
そして驚愕の新システム、「AI戦闘」で個性溢れるキャラを導くんだ!






ざわ・・・・・


クラスがどよめいた。は・・・8人・・・・!!!!?????
Tでは一人・・Uでは二人・・・Vでは四人・・そして・・・・・Wは・・・・・8人!?
すげえ・・・・ドラクエはやっぱりすげえ!!どこまで俺たちを・・・・どこまで俺たちを興奮させれば気が済むんだ!!

「そして!」 最早、得意満面のYが更にページをめくる。そのページには8人のイラストが描かれてあった!

勇者、男、女バージョン!
「おお!4は女勇者の絵もあるんだな!・・俺、女勇者にしようっと!」
「あれ!?こいつ、勇者だったんだ!?俺、てっきりラスボスかと思ったヨ・・・」
「カッコいいよ・・マジカッコいいよ、この勇者!!」
「コイツ、ひょッとしてロトなんじゃ・・・」
「バァーカ!!ロトはVの主人公だベよ!!!」

戦士ライアン!
「おお、結構強そう。」
「でもなんかダサイな」

神官クリフト!
「なんか青白いな」

じいやブライ!
「なんだこのジジイは」

王女アリーナ!

ドォォォォォォォ!!!!

またもどよめく教室内。だんだんと女子の視線がきつくなってくる。

「か・可愛い・・・」
「惚れ・・・・た」
「これ俺のー!これ俺のー!」 ←俺の発言ではない
「ありーな!ありーな!ありーな!ありーな!ありーな!ありーな!」 ←これが俺の発言
「可愛いのー!すんごく可愛いのー!!」

武器屋トルネコ!
「論外だな」
「二軍決定だね」

占い師ミネア!

おおおおお・・・・

またまたざわめく男子。ここら辺から先生を呼びに行く女子の姿がチラホラと。

「神秘的じゃあ・・神秘的なおなごじゃあ・・・・」
「いいね!彼女もいいね!」
「でも何か暗そう・・」
「だと・・・・コラ・・・俺のミネアに何てこと言いやがる・・・」 ←俺だ




そして・・・・次の瞬間、教室内にこの日一番の歓声が上がった。

















踊り子・・・マーニャ!!!


ドグォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!

「ちょっと!!アンタ達、いい加減にしなさいよ!」
「うっるせえ!!ブスが!黙ってろ!」
「な・なによー!センセイに言ってやる!絶対先生に言ってやる!うわーん!」
「ま・まーにゃ・・・・これは・・凄い・・・凄すぎるッ・・・・!!!」
「こんなんアリか!こんなんアリか!」
「オイラ・・・もう・・・オイラ・・・・」
「超抱きつきてえ!!!超・・何て言うか抱きつきてエー!!」 ←俺じゃないよ
「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ・・・・・・・・・・・・」 ←これも俺じゃない
「おっぱい揉みたい・・」 ←これも違う
「いいか、これは俺のもんだからな?わかったか?おい、聞いてるのか?」 ←これでもない
「俺、ちょっとトイレ行ってくる」 ←断じて俺じゃない!
「あー!お前、何しに行くんだよ?まさか・・・・・」
「ち・違うって!ションベンだよ!ションベン!!!」 ←しつこいが俺じゃない
「・・・・・・・・・・・・(呆)」 ←これが俺。




背筋に電流が流れましたよ。冷や汗が頬を伝いましたよ。足がわなわな言ってましたよ。本気で恋に落ちていましたよ。
この瞬間、踊り子マーニャに本気で恋する男子中学生がそこにいましたよ?

・・・・中坊ともの脳裏に色々な疑問が吹き荒れる。

それは 「マーニャは何歳なのか」 から始まり、 「だ、男性経験はあるのか」 へエスカレート、果てには
「あの前張りの下は・・の・・のーぱんなんだろうか」 その頃だったんだな、私の脳が弾けたのは。







・・・・。










これ以上恥の上塗りをするのはよそう・・・

四章シナリオ概略

本章の主人公は二人の姉妹。姉である踊り子マーニャ、妹の占い師ミネアだ。
二人は錬金術士であった父、エドガンの仇であるバルザックを追う旅に出ていた。
何かの拍子で進化の秘法を発明してしまった父。
父はその禍禍しい発明を破棄しようとするが、それを阻む野望深き弟子、バルザックによって亡き者にされてしまったのだ。

二人はモンバーバラを離れ、ひとまず生まれ故郷のコーミズに戻る事にする。
コーミズに辿り着いた二人はそこで父エドガンのもう一人の弟子、オーリンが町の西にある洞窟で怪我を癒していると言う噂を聞く。
・・・どうやらオーリンもエドガンの仇、バルザックを追っていたようなのだ。それで返り討ちに遭ったと、そういう事らしい。
二人はバルザックの情報を得る為、オーリンに会いに西の洞窟に向う事にした。

無事に合流した三人はコーミズ北方のキングレオ城を目指す。
そこにバルザックはいた。何とか倒せたものの今度は城主、キングレオが相手。
しかし惨敗し牢に繋がれるミネアとマーニャ。しかし同じ囚人部屋の老人の導きもあって脱獄する事を決意する。
国中の指名手配になってしまった二人はオーリンの捨て身の助力もあってハバリアから船で国を脱出する事に成功。

波に揺られながら二人は思う。囮になってくれたオーリンの安否。父エドガンが発明したと言う「進化の秘法」。
そしてその秘法で醜悪な変貌を遂げていたバルザック、そのバックにいたキングレオと言う存在。
そして・・・岬の占い師が残した「貴方達を包む、小さくか細い希望の光」と言う言葉。
その小さくか細い希望の光が・・・進化の秘法によって均衡が崩れようとしているこの世界を、そして私達を救ってくれるというのだろうか。
その希望の光を求め、マーニャとミネアは新しい旅に出るのであった・・・・




う〜ん・・・・・暗い・・・・ドラクエ4は四章辺りからとてつもなく暗い話になってきますね。
二人の航海に出るシーン・・・はい、鮮明に覚えていましたね。このシーンだきゃあくっきりと。

生まれ故郷を出ねばならない二人の暗い背景・・・美しい画面処理・・・そして物悲しい曲の旋律。
私は海の曲では本作のが一番好きですね。切なくて、それでいて二人の強い意思というものを感じさせる。
そう、4の海のテーマはこの姉妹をモチーフにした曲なんだ。私はそう思いましたよ・・・・・ぐうっ・・・・・切ない。

私、だんだんと胸が苦しくなってきました。この本章の終結の仕方、そして「あの」絶望的な第五章のオープニング。
果たして私はこの強烈コンボに耐えられるのだろうか・・・・・ふう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








胸      が      痛       む。






あ、五章はのっけから私の空想で始まりますから。

五章に続く





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