「希望」
まさかこうも早く「導かれし仲間」とやらに会えるとは。情報を集める手始めに来たエンドールで早くもミネアとマーニャを仲間にしたくえすとは意外な展開に一人皮肉な笑みを浮かべた。
これでいいんだろシンシア。おまえの言うとおりにまずはこの二人を仲間にした・・・でも大丈夫か?どう見たってこの二人、冒険向けじゃないぞ?妹のミネアはやたらと線が細いし・・このマーニャという女はもっての他だ。どう考えても俺を導いてくれるような人物には見えない。男好きする容貌。いつも他人を上から見下ろしているような高い視線。口元には薄い笑みを絶やさない。これを妖艶と取る奴も中にはいるだろうが・・俺にしてみれば安い女にしか見えない。極めつけは服装だ。いかにも男の視線を集めようと意識したようなペラペラな衣装。・・・そんな薄着でモンスターの攻撃を回避できるのか?・・冗談じゃないぜシンシア。こんな奴らが俺と共に天空に導かれた勇者だというのか・・?
「・・何にやついているの?・・・いやあね。早くもあたしの魅力にメロメロってわけ?なあんだ、この世を救う勇者といっても案外、常人っぽいんだから。ねえ、ミネア。」
「・・姉さん、失礼ですよ・・申し訳ありません、くえすと様。今の姉の発言は私が取り消します。」
「・・別にどうって事はない。ただ天に認められた選ばれし人間がこんな軽そうな女だと知って落胆していただけだ。」
「・・・何、それ。ちょっと、失礼じゃないのアンタ。」
「ね、姉さん・・!も・申し訳ありません、姉は少し気が短い所があって・・・」
「ああ分かるよ。いかにも頭の足りなそうな姉ちゃんだな。君も苦労しているだろう?」
「・・・・・・・ねえ、何?アンタ、失礼極まりない奴ね。どうして初対面の人間にそこまで言われなければならないの?・・なんとかしなさいよ、そのひねくれた性格。」
「姉さん・・・!!!くえすと様・・あの、あ・あの。」
「いいんだ。こいつの言う通り俺はひねくれている。・・分かっただろう?俺は「この世を照らす最後の希望」だか何だか言われる器じゃないんだ。悪いが共に旅に出る話はなかったことにしよう。・・強い男なんてどこにでもいるだろう・・?残念だけど他を当たって・・・」
「はっはっは!!可笑しい!そうよミネア!どう見たってこいつは勇者様なんて器ではないわ!こいつ、ひねくれてるのを通り越して相当卑屈よ!卑屈!とうとう自分の事まで悪く言い出したわ・・・ほんっと、根暗!!」
「否定はしない。・・まああれだけ非道い目に遭ったら大概の奴なら卑屈になると思うが。」
「へえ!そーんな大変な事があったんだ、坊や?良かったらこのお姉さんに話してみない?話せば気が楽になって・・ちょっとは素直な、いい子になれるかもよ!」
「!!ちょっと・・・・!!姉さん!!今の言葉取り消しなさい!いくらなんでも今のはしつれ・・・」
「好きな女を殺されたよ。」
「・・くえすと様?」
「家族も殺された。母親なんて消し炭だ。俺は村で一人生き残った。助けられ、護られ・・・何も出来ずに俺だけ、おめおめと生き残った。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
あの惨状を思い出すたび・・暗い闇が心に覆い被さってくる。ピサロへの憎しみのみが心を支配する。でも出来ない・・何も出来ない。俺は何も出来ずに村のみんなが殺されていくのをただ見ていることしか出来なかった。・・護られたんじゃない。俺はただの臆病な傍観者だったんだ。これから先、自分の身に降りかかった災難を呪いながら生きていくしか無い。空っぽなんだ。空虚な人形だ。
「へえ、それはそれは。・・・・・・それで?」
「・・・・・・・何?」
「女を殺された。家族を殺された。あんたの境遇は良く分かったわ。それで?・・アンタはこれからどうするの?」
「どうする・・だと?」
「そう。話が続かないわ。大事な人たちを殺されて・・・アンタはどうするの?」
「・・何もしない。出来ないからな。なにしろ敵が強すぎる。」
「・・・・・はぁ。だめだわこりゃ。ミネア、行くわよ。こんな人間のクズといたって時間の無駄。」
「ちょ・・ちょっと!!姉さんどこへ・・・!」
マーニャはミネアの腕を強引に掴むと店の出口に向おうとする。
「どこへじゃないわよ!とにかく、見ているだけでイライラするこのイジケ虫のいない所に行くのよ!」
「落ち着いて姉さん!!ちょっと・・腕を放してよ・・・とにかくおちつい・・・」
「待てよ」
「・・・え?くえすと様・・?」
「待てよお前。そこまで言うならお前の意見を聞こうじゃないか。」
「あたしの・・・意見だって?」
「そうだ。お前が俺と同じような境遇であったとして。・・・お前ならどうする?」
「決まってんじゃない。復讐するわ、そいつに復讐をしに行く。」
「だがその敵はとてもじゃないが自分の手に負えない強敵だ。返り討ちに遭うかも知れない。」
「その時はその時!!その憎しみを誤魔化して一生いじけて生きるより何ぼかマシよ!」
「おねーーーーーーーちゃん!!なにをう、喧嘩・・・・してんのぉおお?おいちゃんにぃいぃい・・・うひ☆おいちゃんに、話してみないぃぃぃいい?」
ここで、いい感じに酔っ払っているおっちゃんが息荒く怒鳴るマーニャに絡んで来た。
「なあにを、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁに、怒ってるのさ?アハ☆びじんがだいなしだよぉぉ」
「あたしの身体に触らないでよ。・・クソオヤジが。」
「なあああああんだとおおお!!?くそおや・・・ヒック!じ・・だあ?ソおんな事言ってると・・・もっと触っちゃうよ!うひ!」
「お い お や じ」
「ぐっへへ〜・・・・・・・ヒィ!!」
「あ た し は い ま」
「ヒャア!助け・・助けて!熱ぃ!!アッチイイよ!?」
「き げ ん が わ る い ん だ」
「ヒャア!!おったすけぇ!!!」
マーニャの双眸と高々と突き上げた指先から炎が迸っている。酔っ払いはこりゃ敵わんとばかり、マーニャから一目散に逃げ去った。
こいつ・・・炎の呪文を使うのか。
「あたしは父親を殺されたわ」
「・・・・なに?」
「殺されたのよバルザックという奴に」
「・・・・バルザック?」
「そして」
マーニャの指先の炎が一段と輝きを増す。
「今はそいつを探す旅をしているの」
「・・・・・・・・・・。」
「この・・・・・・炎で焼き殺す為の」
「・・・・・・・・・。」
「旅をしているのよ」
カ!!と炎が爆ぜるとその勢いは一瞬の内に消え去った。
「ミネアは風を操る。ミネアは普段は物凄く大人しいけど・・・バルザックへの怒りの激しさはあたしにも劣らないわ」
「・・・姉さん」
「でもね、返り討ちに遭った。あんたの言うとおり、殺されそうになったわ」
「・・・・・・・・。」
「でも牢獄のおじいちゃんや・・・オーリンが身体を張ってあたし達を逃げさせてくれたの」
「・・・・・・・・。」
「分かる?これはもうあたし達だけの戦いじゃないのよ。庇ってくれたおじいちゃんやオーリンがどうなったかは知らない・・・でもここで逃げてしまえば自分だけじゃない、助けてくれた二人さえ裏切る事になってしまう。そんなのは絶対に、嫌・・・・・だから!!」
「姉さん」
「絶対逃げる訳には行かない・・!逃げるもんか!いつか本当に死んでしまうまで、地獄の果てまで追いかけてやるの!臆病なあんたとは違う!!!」
酒場に沈黙が走った。先程まで騒然となっていただけにこの沈黙はその場にいる者にとって痛く感じる。くえすとも・・・・・マーニャの告白と流した涙に圧倒されているようだ
「くえすと様」
ミネアが沈黙を破ってくえすとに話し掛ける
「姉さんが言った通り私達はバルザックという名の男に父を殺されました。」
「・・バルザック・・・そいつは?」
「錬金術師であった父のかつての愛弟子です。・・・・くえすと様、『進化の秘法』という物を御存知ですか?」
「進化・・・の?いや、知らない」
「進化の秘法とは生物の能力を何倍にもする秘法。古の話では、ある人間が神になろうとその秘法を使い、逆に悪魔になってしまってその国を滅ぼした・・という言い伝えがあるくらいの、とにかく恐ろしい秘法です」
「・・悪魔?」 (もしかしてそいつが・・)
「はい。そして父はその恐ろしい秘法を完成させてしまった。」
「・・・・目的は?」
「いえ。父は秘法を破棄しようとしました。作ろうと思って作ったのではなく、ある研究の結果として偶然・・・出来てしまったのです。」
「・・・そうか。それで弟子のバルザックに・・・・」
「はい・・・・・バルザックはどうやらピサロという名の魔族と内通していたようなのです。」
「!!!!!」
ピサロ・・・・だって?
「ピサロにはその秘法が必要だった様子で・・・それで父は・・・くえすと様!顔色が・・・・どうかなされましたか!?」
「・・・・・いや。それで・・その秘法はバルザックの手に渡ってしまったのか?」
「・・・・・・・・・。」
「そうか。・・・・・ピサロ・・・・ピサロはその秘法を使って何をやろうとしている?」
「バルザックは・・・・地獄の帝王を復活させる為、と・・・」
「・・・エスターク・・・・」
「・・・やはりエスタークの存在はご存知でしたか。・・・そうです。ピサロはエスタークを用いて人間を・・・滅ぼすつもりです」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・私たち」
「・・・・・ん?」
「私たちも最初は・・・父を殺されたという憎しみで一杯でした。父の仇を取れたら死んでしまってもいい・・そこまで思い詰めていた時もありました」
「・・・・・・。」
「でも・・もうその程度の問題ではなくなってきているのです。・・・・仇は討ちたい。それは仇も討ちたいです!でも!敵はバルザックだけではないんです!バックにはキングレオもいる、ピサロもいる、エスタークもいるんです!このままでは人間そのものが滅んでしまう!!いつまでも恨み憎しみでやっていてはならない!そんなこと言っている場合ではないんです!」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・申し訳ありません」
「いや君の言うとおりだ」
でも・・・・
「くえすと様お願いです、御力を貸しては頂けないでしょうか?」
「・・・・俺は何も出来ない・・何も出来なかった」
「くえすと様・・・・」
「俺は何にも出来なかったよ。こんな下らない男よりもっと強い・・・」
「アンタいつまで逃げるつもり?情けない・・・反吐が出るわ。女の私たちでさえ戦っているのよ!?そんなザマで、死んだ彼女や両親に悪いとは思わない?情けなくはならない?」
「姉さん!」
「見えるのよ・・ミネアだけじゃない!あたしにもくえすとの憎しみ悲しみが見える!何で閉じ込めようとするの?何で誤魔化そうとする!!どうして死んだ人のためにって思えない!?今生きている命を救おうとは思わない!!あんたは選ばれた人間なのよ!!あんたにしか出来ないの!そんなんじゃ、死んだ彼女も死んだ甲斐が・・・あんたを好きになった甲斐が無いじゃない!!」
「分かってるよ、そんな事は分かってる。俺だって・・俺だってな!死んだみんなの恨みを晴らしてやりたい!俺を守ってくれたみんなの死に意味を持たせたい!でも、でもな!本当に俺なのか?本当に俺しかいないのか!?俺は何も出来なかったんだぞ!!」
「馬鹿じゃない!?口を開けば昔の事ばかり!どうしてこれからやってやろうって気にならないの?この出来そこない勇者!」
「っだと・・黙れ!このクソ女!!!!!クソ女に俺の気持ちが分かるか?少しは妹を見習って女らしくしたらどうだ!」
「そんなの今の話に関係ないじゃない!!全然関係ない!腹立つわ・・この小僧・・」
「なにキレてやがる。気にしてるのか?」
「な・なな・・・あんた・・!!逃げないでよ!今はそんな話・・・」
「ははは。」
「な・なに笑っているのよ!!」
「いや、これほど分かりやすい馬鹿もいないと思ってよ」
「なに・・?アンタどこまで精神が腐っているの!?今はそんな話じゃない!人間の存亡がアンタにかかっているという話よ!死んだ彼女がこのままじゃ浮かばれないって話をしているの!それをアンタはどう考えているのよ!!!」
「シンシアの話はするな」
「バッカじゃない!?アンタから話を振って来たんじゃないの!聞いて欲しかったんでしょ?ああ可哀相にって言って欲しかったんでしょう?」
「おいクソ女」
「ク・クソ女って言うなあ!!」
「シンシアの話をもう一度してみろ!何度でも言ってやるぞ!」
「こっちだって何度も言ってやるわ!この根性なし!甲斐性なし!これは究極よ。究極の甲斐性なしよ。・・そうか。そうよね、アンタ、シンシアちゃんの事なんて何とも思っていなかったんでしょう?そうよね、おかしいもん!普通だったら激怒するわ。激怒してすぐに行動に移すわ。どう考えたってそうよ。それをアンタは・・いじけてるフリして逃げてるだけじゃない!」
「この・・・・俺は愛していた!シンシアを心から愛していたよ!それをあんな惨たらしく殺されて・・怒らない筈が無いだろう!!」
「だったら証明してみなよ!そんなに愛していたならそれに見合う根性をシンシアちゃんに見せてあげなさいよ!死ぬぐらいの!根性を!!」
「・・うるせえ」
「ハッ、あたしの勝ちね!ばあか!この根性なし究極のウスノロ!!自分だけが可哀相って思うな!世の中にはね、もっと辛い境遇の人がいるのよ!?」
「うるせえぞ」
「最後まで聞け、このバカ!アンタなんかよりも苦しんでいる人なんて一杯いる!シンシアちゃんやアンタの村の人たちがそうよ!!考えても見なさい!!その人たちはどんな思いで・・・どんな思いでその命を投げ出したと思っている?」
「・・・。」
「・・全部、アンタの為じゃない・・!引いてはこの世界の事を思ってよ!それをあんたは自分の事ばっかり考えて・・怖がって・・スケールが小さいのにも限度があるわ!いい加減目を覚ませ、このアホ!!」
「・・・・・・・。」
「な・なによ。何黙ってるのよ!何か・・何とか言ったらどう!!?」
・・・・・そうだ。
コイツの言う通りだ。このまま俺が逃げてたら・・
くそ・・
何で気付かなかった・・この事に何で気付かなかったんだ?言葉で理解するだけでなく、どうしてその・・本当の意味に気付く事が出来なかったんだ!このままじゃみんなは、本当に何の為に死んでいったのか分からないじゃないか・!
それを俺は自分の事ばっかり考えて・・情けない。
そうだ・・そうだよ
思い出せ、思い出せ・・
あの村を独りで出てきた時の怒りを・・
俺はあの時・・みんなの仇を討ちたくて、討ちたくて・・・
ピサロが憎くて・・心底憎くて!
必ずピサロを倒そうと、みんなの死にそう誓った・・!
今の俺の命は・・自分だけのものではないのに!みんなの・・そしてシンシアの命も背負っているのに!
そうだ!これはシンシアと・・村のみんなの正義を証明する為の旅だ!!そうだ・・そうだ・・そうだ!!!
「・・・そうか・・・・・ハハハハハハ!!そうだよ!!そうだ!」
「・・・・・・ビク。な・なにがそうなのよ・・・」
「・・・え?・・・・ああ。ははは!」
「・・ドキ。い・言い過ぎたかもしれないわね・・でも・・でも・・アンタがいつまでたってもいじけてるか・・」
「ははは・・いやいや、お前の下着の色がわかったって事だよ」
「ハァ?なに?・・アホ?気が狂った?」
「まあ落ち着いて自分の格好を見てみろ」
「・・・・・・・・・ア、アアアアアアア!!!見るな見るなこのウスノロ!!」
「うるさい!見たくも無い物を人様に見せるな!汚えもん見せやがって」
「ナ・・ニ?」
「謝れ。気分を害した。」
「な・な・な・な・な・な・ななななななな!!タダで見といてその態度ぉ!??」
「だっから汚いって言ってるだろ!!・・・・いいからよ、もう足下げろや。分かった分かった。見せたいのは充分分かったから足を下げてくれ。迷惑だ。公害だ。人様の迷惑って物をもう少し考えな。一人じゃ生きていけないぞ?」
「・・・・・・・・プッ・・チン、キレたぁ・・・・もうキレた!」
「いつもキレまくりじゃねえか!!ヒステリー女が!」
「我、炎の精霊の御霊を欲する者なり。
我、炎の精霊の加護により業火にて敵を焼き尽くす事を欲する者なり・・・」
マーニャは勢いよく呪文を詠唱し始めた。
「ね・姉さん!止めなさい!こんな所でそんな魔法!何を考えてるの!?」
「だって!!!!この阿呆がいつまでもいつまでも!!ムカツクのよ!いっそのことあたしが景気良く焼いてやろうと思って!!!!」
「おい」
「なによ・・・本当にヤル?」
「お前じゃない・・ミネア」
「は・はい」
「未来を占って欲しい」
「は・・?えと・・その、非常に申し訳ないのですが、今は水晶を持ち合わせていないので・・あれが無いと占う事が出来ないんです・・」
「いや、まあ良いからとにかく占ってくれ」
「・・・そう申されましても」
「じゃあいくぞ?・・俺は明日、君と一緒にピサロ討伐の旅に出ているか?」
「・・・・・・・え?」
「・・・。」
「・・くえすと様?」
「・・そうか見えないか、残念だ。君の占いでそう出ていないのなら、やはり俺は君の言う勇者ではないのだろう。」
「・・ま、まままま・・待ってください!」
「ん・・だって見えないんだろう?」
「い・いいえ!み・みみ・・見えます!くえすと様は明日、私と共にここより北方、ボンモール城を目指しています!!!」
「・・そうか。君の占いは正しいと評判なようだが・・確かなんだな?」
「はい!!ぜ・絶対に絶対確実です!外れた事は一回もありません!!!」
「そうか。じゃあしょうがないな」
「はい!あ・諦めて下さい!こうなった以上未来は覆せないですから!姉さん!やった!やったわ!くえすと様が共に旅に出てくれるって!!」
「え?え?え?え?」
「・・もう!姉さんはニブイわねっ ばんざーい!ばんざーい!これでやっとエンドールから出る事が出来るわ!なんていっても頼りになる戦士・・いいえ、勇者様が一緒なんですもの!姉さんがカジノで使い果たしたお金を占いでちまちまと稼がなくてもいいのよ!!うふふ!!イエー!!ヤッター!!さあ今日はもう寝て明日は早・・・・・はっ」
「ミネア・・・はしゃぎ過ぎ。姉さんちょっと恥ずかしい。」
「あ・・・・・あ・・・・・あ・・・・・・」
「俺も・・・・結構意外だな・・・」
「やだ・・・やだやだやだやだ!!私ったら・・・・・は・恥ずかしい・・・・・恥ずかしい・・・・」
「あはははははは!ミネアはたまーに興奮するのよね!可笑しい!可笑しいわ!
!アハハハハハハ!!!」
「え?そうなのか?これは次が楽しみになったな・・・・」
「も・もうしませーん!冗談じゃないわ人を馬鹿にして!う・・・う・・・う・・・うわ―――――――――ん!!」
「あら、早速やってるじゃない!」
「ははははは!」
あー・・久し振りに笑ってる気がするなぁ・・気持ちいいな、やっぱり笑うのって・・・・今のうちに笑っておくか。・・俺はあの日の事をいつか又思い出してしまうだろう。そのときに今の自分の笑い声を思い出す事が出来るように思い切り笑っておこう。
シンシア・・母さん・・・・父さん・・・・先生・・・師匠・・・・・・みんな・・・・・
心配するな。
俺は少し変わってしまったけど・・旅に出る決意もマーニャに気付かされてのものだったけど・・俺、ピサロを倒しに行くよ。・・世界の為にだなんて大きなことは言えない。今はただ、あなた方の死に「意味」を持たせる為、その為だけの旅へ。だってそうする事があなた方への何よりの供養になる・・・そうでしょう?
シンシア・・・・
今、君の取った行動を俺は心から誇りに思うよ。もし・・もし俺が世界を救えたら、本当の勇者は君という事になる。君の名と村のみんなの名を俺はいつまでも語り継いで行くよ。その為だ。その為の旅だ。
ミネアとマーニャが一緒だ。ちょっと変わった奴らだけど・・信頼出来る仲間・・・と俺は思うよ。だって彼女等は俺に希望を与えてくれたからな。未来に向けての目標・・それは希望だろう?やっていける・・・・やらなければいけないんだ
「それはそうと・・・くえすと」
「何だよ」
「あんた・・さっきの言葉取り消しなさい」
「え?」
「・・・忘れたの・・・あたしに酷い事、言ったじゃない・・・・」
「何だっけ?」
「ヒ・ヒステリー女・・・とか・・・く・・・・そ・・・く・・・・・・・そ・・・『ク・・ソ・・・・・・女!』・・・・って・・」
「え?ああ、そうか」
「・・・・・・謝りなさい」
「やっぱり変な奴。いちいちそんな事俺に報告しなくてもいいだろうに」
「・・・・・・・・・は?」
「脱糞だろ?便所はあそこだ。遠慮なしに盛大にやって来い」
「・・・・・・・・・・。」
「何だそんなに苦しいのか」
「あんた・・・・・あん・・・・・た・・・あんた!!あんたあんたあんたあんたあんたあんたあんたあんた!!!!!!!」
「あんなに踏ん張るからだ・・身体に悪いぞ、早くぶっ放して来いよ」
「ぷっちーん」
「く・くえすと様・・!!早く!早く逃げて!」
「・・・え」
「これは姉さんのマジギレです!早く・・・・ああ!早く!!!」
「それはヤバイ・・・じゃあなマーニャ。」
「ち ょ っ と ま ち な さ い よ 」
「待てないのはわかったから・・・・でもいくら何でも、『流せない程のビッグマン』は投下してくるなよ?あっはっは」
「我、炎の精霊の御霊を欲する者なり。
我、炎の精霊の加護により業火にて敵を焼き尽くす事を欲する者なり・・・」
「こ・これはメラゾー・・・・・!!!!!!姉さん!落ちつい・・・・!!!」
「後は頼むぞミネア」
「ザーザース・ザーザース・・・・・・聞け、我の声を・・・・・・ザーザース・ザーザース・・・」
「わ・私も逃げます!!!」
おわり
う〜ん
くえすと、性格変わっちゃいましたね。
っていうか元々こういう性格だったという事で。
つー事で冒険日記Gへと
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