グリーン・グリーン (PC) GROOVER ここでは本作を各項目ごとに SSS(最高)、SS、S、A、B、C(合格点)、D、E(最低) の順で評価していきます。 注:前半はネタバレ無しの方向で参ります。後半からはちょっとしちゃいますが、その時はお知らせしますのでご安心を。 それではまず、音楽から。 ■音楽■ とにかくノリのいい曲が多いですね。曲数が少なめに感じられたのが少々残念ですが、レベルは高いと思います。効果音や声優の演技にも気合が入っており、また各ヒロインに一つずつエンディングソングを用意しているなどとにかく音楽には力が入っています。 音楽評価:A ■キャラクター■ 主人公とヒロインの周りを取り巻く脇役のキャラクターが異様なまでに濃い。せっかくだから紹介。 ●バッチグー(煩悩の塊。アホ過ぎ。コイツ見て自分に似てるかもしれないと気付いた時は結構落ち込んだ)●毒ガス君(自爆系。期待していたほど面白くなかった)●総長(古き良きヤンキー。全てのシーンで爆笑。「オメエが・・セックスか?」には笑いすぎて正直死にそうになった)●一番星(この中では一番まともかも。でもバカ)●天神(2メートル超のメルヘン野郎。ラップ大好き。)、亜理紗(小学校の学級会でよく見かける奴。ひたすらムカついたが、そんな亜理紗が結構好きかもしれない自分がここにいる)●緒方さん(用務員のオッサン。味出し過ぎ) ほぼ全員が大ヒット。大いに笑わせてもらったが、これ以上ここで書いたら下とかぶってしまうので続きは下で。 キャラクター評価:S ■笑い■ 笑いの系統としては漫画「稲中」に代表されるような、勢いで笑わせる系。なので、人によっては全然面白く感じられないだろうし、人によっては殆どの場面で腹を抱えて爆笑出来る事でしょう。狙いすぎてスベる場面もままあったが、数時間ずっと笑いっぱなしでした。二週目以降スキップするのが惜しいほど可笑しい。今までのゲームでは最高峰です。 笑い評価:SS ■涙■ 泣き要素は結構高い。特に「あの子」のシナリオ(一応ヒロイン名は伏せておきます)なんて、感極まって号泣された方も多いのではないでしょうか。その子のシナリオは、ヘタしたらあの 君が望む永遠 と肩を並べるほどの痛さじゃないかな。人によっては超えたという方もきっといることでしょうね。見せ方も巧いしね・・って言うか、巧いって言うよりか はっきり言ってあれは卑怯。(誉めてます 私も涙は出なかったものの、(目は潤んでしまったが)非常に辛かった。 いや、本当に辛かった。 ただただ胸が痛んだ。 っていうか、 余裕で胸掻きむしりながら現在進行中。 これは辛い。 涙評価:B ■H■ あるよ。(何がだ ほとんどのHに、愛があるよ(突然どうしたんだお前 いや〜、いいですねこれは。やっぱりね、Hシーンには愛が無きゃ駄目。Hシーンに入る過程が少し強引に感じられる場面もあるにはあったが、私は好きです、こういうの。あるHシーンでは思わず涙ぐみそうになったほど。 ○(一応ここも伏字)を下さい・・ ・・くッ。 このセリフは相当キましたね。ええ、二回転ほど床を転がっときました。Hシーンでウルウルさせるなんてよう・・やるじゃねえか! だが。 肝心な「実用性」はどうだったかと言うと・・これが正直、大した事無かった。ソレ目的で購入を考えている方にはあんまりオススメは出来ないですね。CGや声の演技はまあそこそこなんだけど、何かが足りないんだよな。やっぱりテキストが問題なのかも。というわけで評価はあんまり良くない。でも千種先生だけは強かったです。ええ、非常に強かったですとも。 H評価:D ■システム■ こちらのマシンスペックが低いせいなのか、レスポンスが重く感じました(最低基準は満たしているはずなのだが・・)まあこれは私の場合慣れて来ればそれほどの問題ではなかったのですが・・。一番問題なのは、CG鑑賞モードがないこと。 これが致命的。 これが無かったらさ・・ ゲームをコンプリートした時のあの独特の余韻を感じながらヒロインのナイスCGをぼーっと眺めて悦に入ったり感動シーンを見ながら目をうるうるさせたり萌え萌えなCGを恍惚と眺めながら「ホウ・・ホウ・・」呟いたりHなCGを見ながらもっといやらしいプレイを脳内補完したりとかいうクリア後の私の楽しみが 台無しじゃないかッ(ホントにお前はウルサイね まあソレは別に大した事ではないんですよ(そのわりには力説してたな CG鑑賞モードが無い事で一番問題なのは、CGのコンプリート確認が出来ない事。これが痛い。相当痛い。せっかく魅力的な絵なのにこれらの欠落は非常に勿体無いよ。あと、音楽鑑賞モードにも欠陥があって、歌は聞けるが曲が聞けない。これも痛い。聞きたけりゃサントラを買えって事ですかねェ・・ 長所は文章スキップが既読未読判別してくれる事くらいで、ゲームシステムはあんまり誉められたものではない。 システム評価:D ■萌え■ っていうか早苗。 なんなのですかね、あの子は。 ダボダボの制服を着て次々と繰り出してくる愛らしい仕草、愛らしい言動が狂おしいほどに可愛い。まあ、これはやれば分かります。多くは語りません。 二番手は双葉でこの子も強烈。 何て言うかやっぱり生意気な女の子って可愛いんだよな・・。(水月もそうだったし それ以外のキャラクターにはそれほど萌えなかった。 萌え評価:B ■シナリオ■ テンポがいいのでサクサク進みます。大体一人あたり3〜5時間というところか。少々ファンタジー入っているが結構いいお話が多いです。個人的に一番好きなのはみどりのシナリオかな。それ以外も退屈したシナリオは無かったし、何より私に深い余韻を残してくれたシナリオが一つ。 シナリオ評価:B ■総合評価■ システムに難はあるものの、平均的にレベルが高い作品です。笑いあり涙ありで私は充分に楽しめました。本来であればCランクといったところだが、多くの笑いを提供してくれた熱い脇役達と深い余韻を味あわせてくれた印象深い「あの子」に敬意を表して一ランクアップ。 音楽:A キャラクター:S 笑い:SS 泣き:B システム:D H度:D 萌え:B シナリオ:B グリーングリーン総合評価:B 以下、ネタバレ有り。 ここから各ヒロインのシナリオの感想をつらつらと書いていきます。大きなネタバレも含んでいるので予めのご了承を。これからプレイしてみようと思っている方は読まない方が賢明です。勝手言ってしまって非常に申し訳ない。 いいですか?ではまず、「双葉」のシナリオから。 ■双葉シナリオ■ 勝気で生意気な子が恋愛する事によって変貌していく様はもう辛抱たまらないモノがあります。あの停学期間中の双葉には相当悶えさせて頂きました。 そんで例の花言葉でトドメ。 「あなたに心を奪われた」 はい、落ちました(笑) 双葉ちゃん、心を奪われたのは私のほうです。 枕に顔を埋めて大咆哮。あれはもう我慢できん。久し振りに部屋の壁を殴っちゃいました(えっ いや〜本当に穴が空かなくて良かった。 あのラストもいいですね。最後、主人公に投げつけたのがどんな花なのか謎にしている辺りがまた何とも。あの花の花言葉は、いったい何なのだろう・・ ■千種先生シナリオ■ あの後半の展開はあまりにも恥ずかしくて思わず赤面してしまいました。先生がグリーングリーンである事も最初から気付けますしね・・。シナリオはやや弱いが、でも先生Hだからいいや。あのHシーンにはAランクあげましょう。あ〜あ、俺も挟まれてぇな・・ ■若葉シナリオ■ このシナリオもあっさり風味。早苗がサボテンだったと知った時はあらゆる意味でビックリしましたがね。 ■早苗シナリオ■ ・・・。 ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 何だ、この静かな余韻は。 ・・・。 ・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ。 ふう(涙目 あ〜駄目だ。切なくて切なくてもうやり切れん。 あのラスト、正直言って後味が悪過ぎ。 「メール」 「星空」 「ダイスキデス」 この三つの単語が頭に浮かぶだけで、私の思考は暫くの間停止します。 そして最後に早苗が見せたあの笑み。あの顔面蒼白ながらも、心から幸せそうな早苗の笑顔だ。これはね・・心底驚嘆しました。凄まじい画力ですよ片倉先生。 そして主人公との回想。今までの思い出のフラッシュバック。 早苗の脳裏には、次々と幸せであった日々の光景が浮かんでは消えていく。 あのね・・ 早苗は懸命に主人公への想いを伝えようとする。 あのね・・ でもなかなか言葉にする事が出来ない。 あのね・・ そして。 あのね・・ 早苗は結局その想いを伝えられないうちに、息を引き取った訳だ。 ・・・。 GROOVERさんよぅ・・ やってくれたよな(怒) ええ、あなた方の思惑通りに私は心乱れていますよ(ほほえみ しばらくあのCGを脳内再生させて胸を痛める日が続きそうだ。 「おい、俺に早苗を殺させるなや。そんなにプレイヤーを鬱にさせたいのか」 というのがクリア直後の正直な感想。本音ってやつです。いくらゲームとは言え、アレは落ち込むって。あんな自殺幇助まがいの事をさせやがってからに。まだまだ主人公の行動に対して色々と書き殴りたいところだが、それは止めておきます。皆さんが思っている事だと思うし、それに書いたら激烈長くなりそうだし。 まあ早苗が望んだ事なんだからと言うことで納得しておこう。 ムリヤリにでも、そう納得しておこう。 早苗は辛かったんだ。それは俺が味わった事の無い苦痛だったろう。だったら俺は早苗を責められないし、主人公も責められない。あのまま運良く生き長らえて、果たして早苗は幸せだったろうか。毎日身体をキリキリ切り刻まれて、苦痛の毎日だったのではなかったろうか。生きてるって事と死んでないって事は違うからな。 そう、 だから早苗にとっては主人公の背中で死んでいくのが一番幸せだったんだよ。あんな安らかな死に顔だったんだから、そうとしか思えない。 うん、そうだ。 これが一番良かったんだよ。それで最後にきっと早苗は満天の星空を見れた筈だ。実際には見る事が出来なかったが、早苗の脳裏には鮮やかな光景が浮かんでいたんだよ。そして自分の気持ちを告白できたんだよな。 そうだ。 じゃなきゃあ、あんなに安らかな死に顔は出来ないって。 そう、早苗は幸せだった。うん、そういう事にしておこう。 こうやって考えたら少しは痛みが和らぐな。 よし、納得出来た。 だめだやっぱり納得が出来ねえ・・ はっきり言って私はあのような結末は大嫌いな、の、だ、が、 シナリオの内容はともかく、私の感情をここまで揺り動かしてしまったのだからこれはもう負けを認めざるを得ない。 ここまで痛いのは、 早苗が本当に良く出来たキャラクターだったから。 シナリオ構成が巧かったから。 画面演出が恐ろしいほどに優れていたから。 っていう事でGROOVERさん、 参りました。 ■みどりシナリオ■ 中盤辺りからオチが読めるものの、最後の展開にはさすがに痺れた。大分ファンタジーが入った展開だが、物語としては非常に面白い出来だと思う。ただ、惜しむらくはこのシナリオの内容が以前私がプレイしたことがあるゲーム(この世界に足を踏み入れている方なら、ほとんどがその名を知っているような大ヒット作品です。私のギャルゲー史五本の指に入る作品)に酷似していた為、衝撃度という面では少々足りなかったように思われた。 が、 そうは言っても鳥肌の連続でした。とてもゾクゾクできた。そんで「絆を下さい」にはやられました。ええ、やられましたとも。絶賛しましょう、私はこのシナリオが一番好きです。 さすがは本作のメインヒロイン、優れたシナリオでした。そりゃそうですよね、みどりと小みどり、それがゲームタイトルの由来にもなっているんだから。 |