ギャルゲーヒストリー 第五夜 『DESIRE背徳の螺旋』 はい、次はこれまた名作のDESIRE〜背徳の螺旋〜であります。剣乃氏の、これが出世作になるのかな?買ったのは97年11月。サターン版の発売日でありました。私は愛機のママチャリを駆って限界ぎりぎりの速度でゲームショップへと走りました。ええ、そらもう大き過ぎる期待を胸に抱きながら。 EVEに衝撃を喰らって数ヶ月。あんなどうしようも無い程の感動を与えてくれた剣乃氏の作品ですからね、期待するなと言うのがムリというものです。 長かった。発売日を待つ日々は本当に長かった。当時私の愛読書であったサターンマガジ○、通称サタマガに掲載される特集記事を舐めるように何回も何回も読み耽ながら発売を待ったあの日々は、本当に長かった。 ショップで本作を手にとり、稲妻のようなスピードで会計を済ませた私は、また稲妻のように自宅へととって返した訳であります。 そして数時間後・・ そこにはエンディングの画面を見ながらこのまま息を引き取ってしまうのじゃないかという位のショックを受けて、モニターの前で滝のような涙を流しながら呆然と立ち尽くしていた私がいました。ええ、もう座ってなどいられませんでしたよ。 このショックを完全に取り除くのに、そうですね・・一ヶ月はかかりました。この憑依期間は間違いなく過去最高です。大学サボって憑依。行っても講義中ずっと憑依。休み時間もぼーっと憑依。学友に失恋したと勘違いされるほど憑依。合コンも断って憑依。夜はひとり酒しながら夜空を見上げて憑依。バイクで事故りそうになるほど憑依。 その時は丁度我が家にパソコンが導入された時期でして、デザイア関連のホームページを探しては(当時はたくさんあった・・)書き込みをしていました。私と同症状の方がたくさんいて安心したのを覚えています。 に「俺もデザイアには結構な衝撃を受けたが、一ヶ月はちょっと引きずり過ぎだろう・・ と「おー・・兄やん、いつの間に。 に「デザイア・・俺にも語らせろ。 と「オーケー。断るはずが無いだろ? に「さて・・何から語れば良いんだ? ここよりネタバレトークに入ります。全てがネタばれでありますので、OKという方だけ読んでくださいね。 と「そうだな・・。このシナリオには大きな謎が残っている。その謎についてだ。 に「謎か・・。確かに判らない事が多すぎるな、このゲームには。判りにくいというか、作品中に全てが説明されていないからな。 と「まずはこれから行こう。マルチナは反応装置を使って、一体何をやりたかったということだ。 に「冷静に考えると、やっぱりティーナと反応装置で融合して、再びアルバートと出会って恋をする・・って事じゃないかな。 と「生まれ変わるってことね。それで、一体何に生まれ変わるんだろうか。 に「わからん。でもそうする事によって、マルチナもティーナも悠久の螺旋とやらの呪縛から解き放たれるわけだからな。 と「うーむ。『マルチナの娘のティーナ』を生き返させるってのも考えたんだが・・・。やはりゲーム中にマルチナが「これで私とティーナが生まれ変わる」みたいな事を言ってる時点で、やはりソレしかないか。 に「だと思うよ? と「じゃあそれはそれで良いとしよう。じゃあ、ティーナ=マルチナって一体何処から生まれたのだろう? に「? と「シナリオの最期にマルチナはグスタフに撃たれて反応装置の中に落ちていく。で、少女となってデザイアの海岸に出てくるだろ?そしてアルシナリオでアルと共に別次元のデザイアに飛ばされる。んで次元の歪みかなんかで異国に飛ばされる。グスタフに出会う。反応装置の研究を始める。娘を産む。テオドラで娘を亡くす。デザイアに赴任する。それで最初に戻る。 に「ごちゃごちゃ言うな!訳判らないから! と「マルチナの少女時代〜所長時代・・海岸に出てくるところから反応装置に飛ばされる『螺旋』は描かれている。じゃあ、少女以前は一体何処にいたの?って事よ。 に「む?う?むーん? と「どう? に「だから・・普通に生まれて、グスタフに逢って、デザイアに赴任して・・ と「それだったら反応装置を生み出す動機が無いだろう!アルにも出会ってないんだから! に「さ・最初は娘を生き返させる為だったんじゃないの?で失敗して、何らかの弾みで少女化しちゃって、アルに惚れて・・以降は『螺旋』の繰り返しよ。 と「それだったらアルは来ないだろ。元々ヤツは、マルチナに呼ばれたんだから。財団と研究所のプロパガンダという名目でな。 に「あ・・そうか。じゃあ、こういうのは?その時はマコトがアルを呼んだんだよ。うん。で、ティーナがアルに惚れる、以降螺旋。 と「弱い。マコトにそんな権限があるとは思えない。 に「じゃあお前はどう考えているんだ!! と「ごめん。俺も良く判らない。 に「・・・。 と「・・・。 に「・・・。 と「・・止めよう、もうこの話は。 に「そう、だな・・。 と「頭が痛い。知恵熱が出たらどうしてくれる。 に「オメーが振ってきたんだろうが! と「あっはっは。まあいいよ。じゃあさ、結局あの螺旋は断ち切れたと思う?ゲーム中ではマコトが以後デザイアの所長になって、解明に乗り出す事になっているけど。 に「どうなんだろうな・・。断ち切って欲しいとは思うけど。あれじゃティーナが恐ろしいほどに不憫だ。やり切れないよ。 と「俺はアレが永遠に続くと思うよ。だって、ラストで 『To be continued forever…』と出されているし・・ に「ふゥ、こんな切ない話があっていいものか。 と「でも救いようが無いからこそ、深い余韻が残った・・そうだろう? に「・・だな。 と「噂によるとデザイア完全版では助かるらしいが、今更その救済シナリオを読んだって納得できないだろうな。どうせ書いたのは剣乃さんじゃないだろうし。 に「剣乃さんが書いたんなら読むんだけどな・・ と「でもアレだな・・あのラストは痺れたね・・あんな虚無感は日常でも感じた事が無いよ・・ に「94年の作品だけど、これなら今やっても斬新だね。 と「設定にかなりムリな所もあるが、でも終った後にはもうどうでも良くなる。ただただ驚いたとしか言えん。しばらく俺の頭の中はティーナだらけだったし・・ に「同感。 と「一回終らせた後速攻で再プレイしたんだけど、アルシナリオのラストが死ぬほど切なかった。あれだけ執拗にアルを「求めた」理由が分かってね・・ に「・・・。 と「あれ、PC版でも・・94年に出したやつね、アルはティーナを抱かなかったらしいよ。彼女が望んだ事なんだから、抱いてあげればいいものを・・ に「剣乃さん・・確信犯だな と「それにしてもオリジナル版をプレイしたいなあ。もう手に入らないだろうな、絶対。 に「そうだね。バーストエラーやユーノもそうだけど、デザイアも是非オリジナルをやってみたい。 と「絵がかなり違うよね。田島さんじゃないんだろうな。 に「よく分からないな・・ と「演出とかも当然変更があったんだろうし・・ に「気になるな・・ と「話を戻そうか。・・あれからティーナはグスタフと結婚するんだろ?自分を殺そうとした男と一緒になるなんて、想像を絶する地獄だよ。しかも、あの野郎に純潔を・・ に「それ以上言うなッ と「しかもその地獄を何回も何回も繰り返す。なあ、ティーナは一体、何度同じ地獄を味わったんだろうな・・? に「嗚呼・・・・・だから言うなって・・・ツ・痛ゥ・・ と「後な・・ほら、マルチナがマコトと海岸で愛について語る所があるじゃない。 に「あ、ああ・・反応方程式をマコトに渡すとこだな。 と「そうそう。そこでマルチナが言った言葉。覚えているか・・? に「いや。・・・あ、あのな、別に言わなくたって良いかr と「これだ。 マルチナ「ずっと昔・・愛する人とこうして寄り添って、色々な事を語り合ったわ・・・」 に「(T△T)ダー。だから言うんじゃねえと言ったんだコノヤロウ・・ と「ノ(T○T)ノそりゃ血涙もするってもんです。 に「てぃ、てぃなぁああ・・ と「ブツブツブツブツ・・はっ。危ない。また憑依するところだった。 に「語りあったって、ティーナが大人になった時だよね、そうだよね(涙 と「そうだ・・美しく成長した、あの時さ・・写真撮ったり、魚を一緒に釣ったり・・・ に「あーう(血涙) と「どうにもこうにも切ないね。やっぱり抜群のシナリオですよ。 に「あ、ああ・・マルチナシナリオは凶器そのもの・・ と「まだまだ狂おしいほど切ないセリフもあるよ・・聞くかい? に「う、うう・・聞きたい、かも。 と「どん。 マルチナ「フフ、ティーナはアルのそんな所を、理屈ではなく本能として好いているのかもしれないわ・・・・・・いえ、本能ではなく・・記憶、かもしれない・・ マルチナ「アル、あなたには分からない。でも、あなただけにはわかって欲しかった・・!!」 がんばって・・可愛いもう一人の私・・ マルチナ・ティーナ・ステラドヴィッチより に「三連発かよッ と「バース、掛布、岡田の三連発より強烈です。 に「俺、もう帰る! と「まあまあ。せっかくだからコレも聞いとかないと。 ああ、アル。あなたが初めてデザイアに来た時、私、嬉しくて涙が出そうになった。『愛している』と、言いたかった・・言って欲しかった。抱きしめたかった・・抱きしめて、ほしかった!私は、『ティーナ』よ!あなたの、『ティーナ』なのよ!! に「か、帰る・・じゃあな・・ と「そう?じゃあ次もまた呼ぶから。 に「二度と来るか! と「そりゃ残念だ・・ に「くっそう・・今夜は俺、泣きながら眠ります。そして明日、目が覚めたらきっと一番にティーナを捜すでしょう。 ・・今夜のことが、夢であることを信じて。 と「どっかで聞いたフレーズだね。 つづく |