哀愁のギャルゲー・ヒストリー
〜第三夜〜


『リフレインラブ2』

と「え〜、次のグッドゲームは『リフレイン・ラブ2』です。

い「おー!前回の次回予告を堂々と無視している!

と「これは私の思い出の作品です。

い「うーん、俺もコレは結構好きだったなぁ・・

と「ではこの物語のあらましを説明いたしましょう。本作は主人公が二年間の浪人生活を終え、百道大学の新入生として桜木町へ引っ越してくる所から始まる。

い「うん。

と「新しい町に足を踏み入れた主人公。さあ、これからどんな素敵な生活が俺を待っているのだろう・・。

い「待っているのだろう!

と「主人公は地図を頼りに、下宿先である『緋色館』を捜し歩く。

い「でたー、緋色館!

と「右も左も分からない新しい街。見知らぬ人々。ああ、これから4年間お世話になる緋色館とは、一体どんな所なのだろう・・一体どんな人々が、住んでいるのだろう・・。

い「ドキドキするヨネ!

と「お?あったぞ?散々道を迷った挙句、ようやく辿り着いた緋色館!胸の鼓動を抑え、意を決して門を開けようとした、その時ッッ!!

い「そのときぃ!

と「手に、誰かの手が重なった!

い「重なった!

と「その手とは、何を隠そう本作のヒロインの一人、矢加部陽子ちゃんの手だった!陽子も、この春から緋色館で共同生活を始める女の子だったのだ!

い「陽子ちゃ〜ん!

と「え〜、ここでワタクシ、本作のプロローグ文を読ませて頂きます。

い「読んじゃってください、先生!

と「うー、ごほん。


誰も気付かないけれど、その場所はいつもそこにあって、私たちに安らぎとぬくもりを与えてくれる。

い「安らぎと温もり・・欲しい!

私たちだけが知っている。その場所のやさしさと、春の日のまどろみのような、あたたかさ。そして懐かしい予感。帰ってくる場所があることの幸せを、あなたにも感じて欲しい。

い「お帰りなさいって、言われたい!超言われたい!

緋色館にようこそ。

い「ようこそ!

あなたにとってこの場所が、かけがえのない約束の丘になる・・そんな気がする。・・だから、もう一度。

い「・・・。

と「緋色館に、ようこそ!


い「緋色館に、ようこそ!

と「オープニング・ソング、スタート!

い「じゃんじゃじゃんじゃじゃ〜ん♪じゃんじゃじゃんじゃじゃ〜ん♪1,2,3,4,5,6,7、ハイ!

と「微笑みが勝てるように〜♪つま先で踊ってた〜♪

い「いつの日も〜♪変わらずに〜♪

と「きっと逢えると・・・・・信じてた人だった!

い「話し掛けて欲しくって〜♪海の底浮かび上がる〜♪

と「気付くように〜♪見詰めてた〜♪

い「あと一秒で、全てが・・変わりそう!!

と「鳥が飛ぶその飛び方で全てが・・分かる気がするのよっ

い「情熱が〜♪回るたびごと〜♪

と「二人は近付くの・・・奇跡のように!

い「じゃんじゃじゃんじゃじゃ〜ん♪じゃんじゃじゃんじゃじゃ〜ん♪


と「カモッ

い「イエッ

と「本作主題歌、『FACE』でした。主題歌もさることながら、このムービーは素晴らしいです。見るたび、彼らと同じ街に住みたい、と。一緒に笑いあいたい、と。お馴染みの喫茶店に入って砂緒さんに笑顔で出迎えられたい、と。俺も陽子ちゃんと、くるくるくるくる踊りたい、と。抱き締めあいたい、と。キスをしたい、と。

い「いい街だよ、あそこは・・

と「ワシはこの作品の『空間』そのものに惚れこみました。あ〜、俺はマジでこの街に住みたい。

い「住みたい住みたい。

と「あ?学校に行けば陽子と道子に会えて?居酒屋に行けば看板娘の町子さんと会えて?喫茶店にいけば砂緒さんの淹れ立てコーヒーが飲めて?安くて美味い日替わり定食が食べれて?

い「・・とも?

と「バイト先では美紀さんとイキイキトークが出来て?女子高に行けば舞美にからかわれて?尚子ちゃんの『好きだよ、先輩!』光線喰らって?

い「と、とりあえず落ち着・・

と「緋色館に帰ってくるとみんなから『お帰り〜、デザートあるけど食べる〜?』ってか?陽子ちゃんとハートフル・トークをしてか?マリーのモ〜モ〜ベル聞かされてか?はるかさんのセクシー・ネグリジェを毎晩毎晩拝んでか?部屋に帰れば住人たちの差し入れを貰って?『あー、俺ソレ好きなんだよ〜』『うふふ。好きなだけ食べてねっ』『あ、でもこんな量一人で食べ切れないなァ・・』『・・・。』『良かったら部屋に上がって一緒に食べない?『え・・・うーん、どうしよっカナ・・変な事しない?』『えっ・・・・へ、変な事って・・』『ウソウソ!じゃあお邪魔しまーす!』ってか?そんでもって緋色館の女の子だけでは飽きたらず他の女の子とも毎週毎週イチャイチャイチャイチャデートしてって馬鹿野郎がッ・・・・・・・!!

い「うおっ!?

と「この世知辛い世の中、こぉ〜んな幸せな空間があっていいのか!?え?世界のどこかにはこんな羨まし過ぎる空間が?あるってか?あるってか?ウソ付け!ウソだッ あるわけねえ、あるわけねえよ、こんなナイスワールド!

い「お・落ち着け (コイツ・・泣いてやがる・・

と「もう何回、電脳界にアクセスしてこの世界にダイブしたことか・・でもな、無かったよ・・こんな街は、俺の脳内には存在しなかったよ・・探したのに・・あんなに、探したのに・・

い「涙を拭けよ、とも・・ほら、ハンケチ。

と「・・サンクス。・・ふっ、俺とした事が、思わず取り乱してしまったぜ・・。

い「つうかキミいつもだから。

と「・・・。

い「落ち着いたか?

と「フゥー・・・おうよ。もう大丈夫だ。

い「話を続けなさいよ。

と「ヒロインは、え〜・・・・総勢13人もいるのか。年齢は14〜30歳。大学の同級が二人、フリーター二人、女教師一人、喫茶店の雇われ店長が一人、高校生が二人、OLが二人、中学生が一人、短大生が一人、人妻が一人・・年下5名、同い年3名、年上5名、と・・バリエーションが凄まじく豊富だな。この中で三人が主人公と同居生活をしている訳だ。

い「ふんふん。大学生の陽子と、フリーターのマリーと、教師のはるかね。あと男の同居人もいたな、二人ばかし。

と「男はいい。・・まあ、二人ともいい奴だけどね。とにかくこの『同居生活』になんらかの思い入れがある人は、プレイする価値はあると思います。

い「うん。

と「この素晴らしすぎる世界観に較べて、ゲームシステムとシナリオは凡庸かな。システムは女の子とデートをして好感度をあげ、後半に個別シナリオに入るというもの。今となってはもう古い。まあ99年のゲームだから仕方ないけど・・。

い「ほうほう。

と「まあいいや。興味があったら是非どうぞ。んじゃ次のゲーム。

『サクラ大戦』

と「電プレやファ○通でギャルゲー情報を集める日々はその後も続いた。そして、いつの頃だったろうか・・PSへの移植希望ソフトとして毎週毎週トップに君臨する、『サクラ大戦』なるソフトを意識するようになったのは・・

『何だこのサクラ大戦って』から、『また一位だ・・そんな面白いのか』へ、そして『でも俺サターン持ってねえしな・・』からやがて『また一位か・・クッ・・ダメだ。プレイしたくてプレイしたくてしょうがない』、『原画が藤島先生か・・ちっ、反則だ、こんなの反則だっ』、『この真空寺さくら・・危険だ。すこぶる危険な匂いがする』、『萌え萌えか・・?ひょってして、これは萌え萌えか!?』、『そう言えばサターンって今安かったな』、『この値段なら、バイトすればすぐ買えるじゃないか』、『えーい買っちゃえー、もう僕我慢できなーい』となって結局本体ごと買ってしまう事態になってしまったのだ。

ふっ、今から思えばその時サターンを買ったのが俺のギャルゲー人生第二の始まりだったような気がする。当時のサターンはギャルゲー全盛の時期。いや、っていうかギャルゲーで持ってたような気がしないでも無かったような気がしないでも無い。

そんな話はいいか。とにかくそれから俺は身体に鞭を打ってバイトに励み、給料が出たその日にゲームショップへ走ったのだ・・。そして本作と一緒にこれまた切望してやまなかった『同級生if』を購入し、それこそ音速に迫る勢いで自宅に帰った・・。

そして俺は新たな扉を開いた・・。サクラ大戦は・・サクラ大戦は・・何て言うか、超・・・・・・面白かった・・。OPテーマを初めて聞いたときはちょっと恥ずかしかった・・・。でも数日後には嬉々として『はっしれー、こうそくのー、て・い・こーく、か・げ・き・だ・んー!!』と歌っている俺の姿があった・・。一話一話の間にキャッチが入るのが何かアニメを見ているようで斬新だった・・。ミニゲームが楽しかった・・。一番楽しかったのがロシアの金髪姉ちゃんと料理するヤツだ・・。にんじんを刻むのが何か異様に苦手だった・・。戦闘ではさくらを庇ってばかりだった・・・。でも『大神さん、ありがとう御座います!』とイチイチ言ってくれるのが結構嬉しかった・・・。ピンピロリン♪という効果音はなんかウザかった・・・。一話の最後に出てくるお約束のセリフが好きだった・・・。っていうか一緒に言っていた・・・。あやめさんが好きだった・・・。あやめさんのシナリオはドキドキしながらプレイしていた・・・。アイリスに萌えそうな自分を一生懸命戒めた・・・。でもその努力は無駄だった・・・・。最終話で戦艦ごと突っ込む所は熱かった・・・。どうしてあの衝撃で艦長は死なないんだ・・・。ラスボスは強かった・・・。ゆうに一時間は戦っていた・・・。エンディングは良かった・・・。歌が良かった・・・。さくらが良かった・・・。余韻が残った・・・。10分くらい呆としていた・・・。俺は真空寺さくらに・・・萌えて・・いた・・・。

と、言う訳で俺はサクラ大戦が大好きだ。

い「ふわぁ・・

と「そのあくびは何だ。まるで僕、退屈ーとでも言いたそうじゃないか。

い「だって退屈なんだもん。

と「・・もう一遍言って見やがれ

い「だあって、俺サクラやった事無いから話し聞いててもつまらないのよ。

と「き、きさっ、キサマっ

い「僕、ちょっと銃の手入れをしてくるー。

と「・・いっちまいやがった。何て身勝手な野郎だ・・まあいいでしょう。会話形式で続けるのもなんかかったるくなってきたし、ここからしばらくは一人で話を続けることしよう。

『同級生〜If』

同級生。

ときメモを初めてやった時から、名前だけは知っていた。

同級生。

なんて甘美な、ネーミング。高校が半男子校であった為、その記憶を思い起こすには中学の頃まで遡らなければならない。

同級生。

天才絵師、竹井正樹氏の美麗で繊細なタッチによって描かれる、魅力溢れるヒロイン達。

同級生。

いつしか俺は、この恋愛ゲームの始祖と言われる本作をプレイする事を夢見るようになっていた。

同級生。

でも当時の私の財政で、PCなど買える訳も無い。

同級生。

でもやりたい。

同級生。

でも出来ない。

同級生。

ジレンマ。

同級生。

或る日、本作がセガサターンに移植されているという事実を知った。

同級生。

夢であったはずが、段々と現実味を帯びてくる。

同級生。

サクラ大戦なんて、実はどうでも良かった・・のかも知れない。

同級生。

バイトを始めた。

同級生。

夢が夢で無くなった。

同級生。

1秒で夏子に惚れた。

同級生。

見た瞬間にファーストターゲットは夏子と決めた。

同級生。

でもクリア出来なかった。

同級生。

生ぬるいギャルゲーしかやってこなかったヘタレゲーマーにとって、このゲームシステムは正直難し過ぎた。

同級生。

めげずに再チャレンジ。

同級生。

どうにかクリア出来たが、思ったよりエロくなかったので拍子抜け。

同級生。

次は舞狙いで行った。

同級生。

しかしこの子の攻略がまた難しい。

同級生。

どうしても遊園地のデートの後、会えなくなる。

同級生。

数回やって諦めた。

同級生。

確か次はさとみだったような気がする。

同級生。

だんだん苦しくなってきた。

同級生。

自分が何をしたいのか、自分でもさっぱりだ

同級生。

この辺にしておきます。

同級生については、ここにも書いているのでお暇があったらどうぞ。


『同級生2』

私にとって同級生2とは杉本桜子に尽きるのだが、桜子に関してはここで語り尽くした感があるのでここでは割愛します。

じゃあ他に何を語れって言われたら、もう

主人公である竜之介の破天荒さと会話の面白さに尽きる!!もう、テキストの総てがおもしろうておもしろうてかなわん!!


会話だけじゃなくて、竜之介が本作の舞台である八十八町(やそはちちょう、と読む)を闊歩しながらですね、あらゆる場所についてあーだこーだ独り言を言うのですが、その文章の中にまでもギャグ、ブラックなジョークを充満させてプレーヤーを爆笑の渦に巻き込む訳なのですよ。もう、ゲームのテキスト中9割がそうだと言っていい。だから、全部のテキストを読みたくなるあまりに画面上を隈なくクリックして、それはそれは『女の子のことなど、もうどうでもいいや!』って気にさせる時もあるほどです。

これは驚愕ですよ。

物凄く気合の入った作りこみ。“エロゲー界の神”と評される、これが蛭田マジック。この『世界』を構築するのに、彼は一体どれだけの時間と労力をかけたのでしょうね。想像も付かないですよ。

街を歩くのが、これほど楽しいとは・・
と思えたゲームは、この同級生2だけ。後にも・・そしてこれから先にも、そう思える作品は出ないかもしれない。それほど強烈で、完璧な世界観。もう脱帽です。

もう同級生2はやり尽くしたよ・・という方。もう一回やり直してみては?いい具合に忘れてて、今が再プレイする良い時期かも。

そしてやった事が無いという方。


それは非常に勿体無い。


WIN版も出てる事ですし、サターン持ってる方なら、中古のサターン版でもいい。その方が安上がり・・近くのゲームショップでは1500円・・安い、すこぶる安い。

恋愛ゲームの金字塔の名は、伊達ではありません。
オススメします。


続く

次回予告・・天才クリエイター、剣乃三部作。
『EVE burst error』
『DESIRE背徳の螺旋』
『この世の果てで恋を唄う少女YU−NO』
余裕があったら『EVE THE LOST ONE』『エクソダス・ギルティー』も。




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